日本でも非正規雇用のまま給料が増えず、経済的理由から家族を養えないため結婚もできない、という男性が増えているが、韓国のほうが、より結婚のハードルは高いという。韓国人男性が結婚を躊躇する理由は他にもある。
「韓国の女性は結婚したら仕事をやめて専業主婦になりたがる人が多いので、親の援助で『結婚』を乗り切っても、結局は稼ぎがないと続かない。また、女性が優位にあるため、専業主婦の奥さんが家事の多くを男性に担わせようとするケースも少なくありません。だから、結婚なんてせずに一人の生活を楽しみたい、という男性が増えているのです」(崔氏)
日本の場合、出生率は2005年の1.26を底として、15年近くたった今でも1.4あまりにとどまっている。出生率の上昇は一朝一夕でできるものではないのだ。韓国の「0.9」からの回復は簡単ではないだろう。
●取材・文/清水典之(フリーライター)