これについて、上海市の復旦大学社会発展・公衆政策研究所の王菊汾研究員は「多くの大学で女子学生を見てきたが、最近は大学院に進学する学生は男性よりも女性の方が多いという傾向がある。中国ではこの30年間で経済発展がすさまじく、社会の変化が大きくなっており、大都市では女性が働くのが普通になっている。昔のように、経済的に男性に頼らなくなっても良くなるなど、自立した女性が増えている。現代中国では女性は子供を育てるという伝統的な価値観が崩れつつある」と指摘している。
◆16%が「結婚したくない」
中国共産党の指導の下、14歳から28歳の若手エリート養成機関である中国共産主義青年団(共青団)の中央委員会が調査したところによると、約9000万人の団員の3分の1が「結婚は急がない」と回答。全体の16%は「結婚したくない」とも答えており、「必ず良いパートナーを見つけて、結婚したい」と結婚に積極的なのは全体の14%に過ぎなかったという。
中国政府の行政機関、中国民政省の調査では結婚人口が減っているのは離婚率が上昇していることに関連しており、2003年の離婚申請数は133万件だったが、2017年には437万件に急増。14年間で304万件も増えている。また、北京大学社会科学調査協会が2016年に発表した統計によると、1980年以降に生まれた男女の13.5%が結婚15年以内に離婚しているという。
同協会では「2016年まで続いた一人っ子政策の影響で、若年層を取り巻く家庭や社会環境が急激に変化したことが大きな要因だが、特に都市部ではITの発達や経済的繁栄、多様な文化の発展、社会保障や医療保険の普及など『おひとりさま』が生きていく環境が整ってきたことも未婚率や離婚率の割合を押し上げているのではないか」と指摘している。