こうした伝統的アイドル姫様に共通するのは、ストーリーにはかなりの無理があること。それでも姫様がチャーミングだから許しちゃいますかという気にさせることである。あや姫は、まさにその路線。
もうひとつ、今回の芝居では、網タイツくノ一の「伝統」も継承された。このイメージを定着させたのは、昭和期の『水戸黄門』に登場したお銀(由美かおる)だが、ももクロメンバーは、色分けくノ一スタイルで元気よく舞台を走り回る。たくさんの敵を相手に、立ち回りの時間が長いことにも正直驚いた。あれだけ動き回って、第二部のライブショーでも元気いっぱいって。どんだけ体力があるのか。ももクロ初心者の私はたまげっぱなしであった。
令和に登場したアイドル姫とくノ一集団。彼女らを応援するため、集まるのがモノノフというのもぴったりし過ぎである。
なお、個人的にはあやの父上で殿様の国広富之、忍者の頭目・黒兵衛の松崎しげる(暗がりで日焼け顔が見えないというお約束シーンも伝統?)の共演は、約40年前の人気ドラマ『噂の刑事 トミーとマツ』の名コンビまさかの復活で面白かった。気弱なトミーがマツの一言でスーパーマンのごとく強くなるドラマの名場面も復活。ここにも「伝統」が。気になる人は、トミーの秘密を調べてから観に行くことをお勧めします!