ビジネス

仏プジョー新型セダン508 「ドイツ御三家」を食う資質あり

プジョーの新型セダン「508」

プジョーの新型セダン「508」

 高級外車ブランドといえば、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディのドイツ御三家が日本でも根強い人気だが、近年は環境性能や先進技術のコモディティ化の影響もあり、プレミアムブランドの優位性が徐々に薄れている。自動車ジャーナリストの井元康一郎氏がドイツ車を脅かす象徴的な存在として挙げた1台は、フランスメーカー・プジョーの新型セダンだ。一体、どこが凄いのか。

 * * *
 見目麗しく快適で高性能、高機能──かつては俗にプレミアムセグメントと呼ばれる高級車ブランドの専売特許だったこれらの特性も、今や彼らだけのものではなくなりつつあるということを実感させられるケースがこのところ急激に増えている。

 自動車工学の進歩によって、高いコストをかけなければできなかったことが安いクルマでも可能になっていくのは昔からの常。高級車はさらに上を行くことでその価値を保ってきたのだが、最近は開拓可能な新分野がどんどん少なくなってきている。性能を求めるのにも限界というものがあるし、先端技術の低価格化も昔に比べるとはるかにペースが早い。ノンプレミアムの大衆ブランド車との差別化は今後もどんどん難しいものになる。

 実際にテストドライブしてみても、トータルで、あるいは部分的に、もはやプレミアムセグメントとの区分けする意義が薄れてきたなと思わされるモデルは以前に比べて格段に増えた。

 なかでもとりわけ強く印象に残ったのが、今春日本デビューを果たしたフランスの自動車メーカー、プジョーのDセグメント(全長4.8m前後)セダン「新型508」である。508が“プレミアムセグメントイーター”であると感じられたポイントはどこか。

 まずはデザイン。筆者は海外で発表された際の写真を見たときは、「こりゃまた劣化レクサスみたいなキッチュなデザインにしたものだ」と思ったのだが、初めて実物を見たとき、ショウケースに飾られているのはコンセプトカーで、実物は別にあるのではないかと一瞬幻惑されたほど。そのくらいアグレッシブでダイナミックだったのだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン