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江戸時代の医学書が伝える口内ケアと便秘対策と薬の飲み方

江戸時代の名医・香月牛山が『老人必用養草』に記した健康長寿極意とは(撮影/浅野剛)

◆便秘は食べ物で治す

《老人は血気涸て、うるほひなきにより、おほくは大便秘結の症多し》

 牛山は現代も多くの高齢者が悩む便秘についても分析と治療法を書き残している。年を取ると血気を失い、潤いが少なくなるために便秘が起きるというのだ。対処法として漢方薬の処方に加えて、こんな方法を紹介する。

《老人の秘結を治するに、春の頃、杏花の半開を雨のふらざる日とりて、かげぼしにして、蜂蜜にひたして畜へ置。又は砂糖漬にして、秘結の時、菓子に用れば、よく大便を通ずるなり。秘蔵の事なり》

 帯津さんが言う。

「杏の花は腸の内腔を湿らせて便を出す作用があります。そのほか、にんじんやしょうがで便秘が解消した例も紹介していますが、にんじんは消化管の働きを高めてくれますし、 しょうがはおならの排出をうながしてくれます。安易に薬に頼らず、食べ物で快方に導く方法もあるということ」

 牛山が説く「老いを楽しむ健康法」はどれも現代に遜色ない。しかし1つだけ、相反するものがある。

《四十巳後、もろもろの芸術を初て習ふことなかれ》

 牛山は「新しい趣味は40才になったら始めない方がいい」と主張している。諏訪中央病院名誉院長で脳卒中の死亡率が全国ワースト2位だった長野県を日本一の長寿県へと導いた鎌田實さんが言う。

「現代に共通することが多い本ですが、これに関しては古い考えだと思う。やりすぎはもちろんよくないが、ゴルフやカラオケなど趣味を通じて人生を楽しんだ人が健康で長生きできることは科学的にも明らか。きちんと検診を受けるなど、健康リスクを減らしたうえで、好きなことを続けてほしい」

※女性セブン2019年9月5日号

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