「主な原因は自律神経の乱れです。薄着で冷房をガンガンかけて、冷たい物を口にするといった夏の生活スタイルを9月以降も続けることによる『体の冷え』が一番大きい。また、9月に入ると朝昼夜の寒暖差が激しくなりますが、気温差が5℃を超える頃になると次第に体が温度変化に対応するのが難しくなってくる。これに加えて秋雨前線や台風による気圧の変化も自律神経の乱れにつながり、体調不良を引き起こすのです」
◆血管・内臓に深刻なダメージ
症状としてはまず、「体がだるい」、「食欲がない」、「よく眠れない」といったものから、「頭痛・肩こり」、「めまい」、「便秘・下痢」、「微熱が続く」、「風邪がなかなか治らない」など様々だ。
夏バテも自律神経の乱れによって体調不良が起こるメカニズムは同じだが、夏は暑さが原因なのに対し、9月以降は気温差や気圧の変化、夏の冷房疲れの蓄積による自律神経の乱れが原因という違いがある。そのため、夏バテは暑さが和らげば体調が回復することが多いが、9月バテはより症状が重症化しやすい。
「冷えたビールのガブ飲みや冷房のつけっぱなしを続けることで、血管や内臓は深刻なダメージを蓄積している。9月バテはそれが秋口になって噴出するのです」(日本老年精神医学会専門医で横浜相原病院院長の吉田勝明氏)
胃腸などの内臓機能や血管の拡張・収縮、発汗による体温調節をすべて担う自律神経が乱れてしまうと、内臓機能や血管がダメージを受け、より重い病気にかかりやすくなるのだという。特に男性は女性よりも冷房の温度を低くする傾向にあるので、ダメージを受けやすい。