国内

脳ドックや遺伝子検査など結果の有用性ないという声も

将来の病気のリスクから今の健康状態まで血液検査からわかることは多い(写真/PIXTA)

 芸能人などのガン報道を見るたびに、はやく検査を受けなきゃと焦りを覚える人も少なくないだろう。最近では、上皇后美智子さまが「定期検診」で胸に腫瘍が見つかったという発表がなされた。今や、現代人の健康を維持するには検査は欠かせないものとなっている。一方で、受けるべきか意見が分かれる検診・検査もある。

 本誌・女性セブンは、医師200人を対象に、医師自身が「受けたい」「受けたくない」検診・検査は何なのかを徹底取材した。幅広い診療科の医師が匿名を条件に答えたアンケートを読み解くと、検診・検査における私たちがとるべき“最適解”が見えてくる──。

【調査方法】医師200人が明かす『受けたい検診・検査ランキング』
 医師200人が「医師として自分が受けたい、もしくは受ける必要があると考える検診・検査」の項目を推奨度順に3つ回答。推奨度が高い順番に3点、2点、1点とポイントをつけて計上した。なお、肩書の「その他」は所属する科がなかったり、現在研究機関に勤務していたりするなどの医師。

 医療技術の進歩に伴い、最先端の検査も次々導入されている。代表的なものは、脳血管撮影、頸動脈エコーなどの画像検査などから脳動脈瘤や“隠れ脳梗塞”が見つけられるという「脳ドック」や、将来どんな病気にかかりやすいかの遺伝的傾向を調べる「遺伝子検査」などが挙げられる。

 だが、多くの医師たちは「結果の有用性がない」として“受けたくない”との声を上げている。医療に詳しいジャーナリストの村上和巳さんはこう語る。

「たしかに、これらは検査を受けて判明したところでどうにもならないことがある。たとえば脳ドックで自覚症状がない脳血栓が見つかっても、血圧を下げるくらいの対応しかできないのが現状です。

 また、遺伝子検査でがんになりやすいとわかった場合、女優のアンジェリーナ・ジョリー(44才)のように乳房なら予防的に摘出することも一応可能ですが、抵抗のある人も多いでしょう。さらにもし肺などの内臓にリスクがあるとわかっても、取るわけにはいかない。つまり、リスクが判明したところで、対処法が限られるのです。そればかりか、『爆弾を抱えている』と知ってしまえばストレスになる。検査を受けるとかえってよくない結果になることもあるのです」

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