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2019.09.04 16:00  週刊ポスト

手術は成功 それでも「術後うつ」を発症するのはなぜか

 肉体的ストレスとは、術後も消えない痛みやしびれなどの症状だ。手術なら「切ったところが痛む」、薬なら「副作用がつらい」といった治療に伴う体への害のことを「侵襲」(しんしゅう)と呼び、大がかりな手術になればなるほど侵襲が伴いやすくなる。銀座泰明クリニックの茅野分・院長(精神科医)が解説する。

「手術が成功し、痛みの原因がなくなって治癒したはずなのに、ズキズキとうずくような疼痛が続くことがある。こうした症例は、『術後疼痛』と呼ばれます。他にも、“以前ほど自由に体を動かせない”と感じることがストレスとなって、うつの一因になるのです」

 加えて、術後に「スムーズに職場に復帰できるだろうか」「以前と同じような生活が送れるかどうか」といった不安も、患者の負担になる。かわたペインクリニックの河田圭司院長が言う。

「術後の痛みが続くと執刀医に相談しても、“手術は成功しているし、そのうち良くなる”といわれて終わりということもあります。その結果、“いつまでこんな痛みが続くのか”という精神的ストレスにつながり、複合的に絡み合ってうつ症状が起こるのです」

 術後うつを発症しやすい病気の筆頭が「がん」だ。告知のショックによるうつ症状も多く報告されているが、術後も再発や社会復帰への心配が重なる精神的ストレスとなっているからとみられている。

 心臓疾患の手術後もうつ発症のリスクが高い。米デューク大学医療センター精神科の研究チームは、心筋梗塞患者の45%が3~4か月後に抑うつ状態に陥り、うち18%はうつ病を発症したとの調査報告を発表した。

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