◆アルバイトとの希薄な関係

 私が小田原の物流センターで働いた後、《しんぶん赤旗》が2018年7月から、アマゾンについての連載である「資本主義の病巣」を掲載した。連載では、私が取材した2人以外にも、小田原の物流センターで3人が亡くなった、と書いてある。

 1人目は、2013年12月29日で、夜勤の20代前半の男性。2人目は、2014年3月のことで、夜勤の男性がロッカールームで倒れて亡くなった。3人目は2016年6月、夜勤の男性が勤務中に緊急搬送され亡くなった、とある。この3人は、冒頭の西川が話していた夜勤の労働者の死亡事故の状況とピタリと重なる。

 同紙の取材に対し、アマゾン側は3人の死亡を認めたという。

 小田原の物流センターの開設から4年で、わかっているだけでも5人が作業中に亡くなっている。センターで労働者が倒れて亡くなるまでの対処方法に、アマゾンやワールドインテックの落ち度はまったくなかった、と言い切れるのか。

 ワールドインテックに内田や北島の死亡事故について尋ねると、「当社としてはいずれも個人情報であるため詳細については申し上げることが出来ません」という回答があった。アマゾンジャパンからは、「横田様の今回の取材企画を進める上でのご質問内容につきまして、具体的な回答を差し控えさせていただきたく存じます」と返事があった。

 こうしたアマゾンの回答は、アマゾンとアルバイトの間の希薄な関係を象徴している。アマゾンは、アルバイトの管理をワールドインテックやその下請けの派遣会社に丸投げしており、自らアルバイトとは直接かかわらない。こうした環境では、アルバイトの労働環境にだれが責任を取るのか、という問題の所在が曖昧になってしまう

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