私が今回の潜入取材を2週間の短期間としたのには理由があった。15年前に最初に潜入したときと比べ、アマゾンが大きな変貌を遂げていたからだ。
今回の場合、潜入取材はあくまで導入であり、その後、かなり腰を据えて取材しない限り、現在のアマゾンの全体像に近づくことはできない、と思った。即日配送やカスタマーレビュー、マーケットプレイスやAWSなど、アマゾンのさまざまな現場にできるだけ接近し、アマゾンの光と影を明らかにしていこうと考えたからだ。
●よこた・ますお/1965年福岡県生まれ。関西学院大学を卒業後、予備校講師を経て、アメリカ・アイオワ大学ジャーナリズム学部で修士号を取得。1993年に帰国後、物流業界紙『輸送経済』の記者、編集長を務める。1999年よりフリーランスとして活躍。主な著書に、『潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影』『仁義なき宅配』『ユニクロ潜入一年』など。新刊『潜入ルポ amazon帝国』は9月18日ごろ発売予定。
※週刊ポスト2019年9月13日号