国内

利益が得やすい在宅医 儲け優先でノウハウ不十分な例も

在宅医を見極める必要がある

「畳の上で死にたい」という言葉があるように、住み慣れた家で天寿を全うしたいと考える人は多い。実際、厚労省の調査によれば、7割以上が「痛みがなく、意識もはっきりしている状況下では自宅で死にたい」と回答している。

 それに同調するように、国を挙げて推奨されている「在宅死」だが、本当に幸せなのだろうか。

 看取りに関する著書を多く持つ、早期緩和ケア大津秀一クリニック院長の大津秀一さんはこんな話をする。

「在宅のいちばんのメリットは自分のリズムで生活できること。もちろん、すぐそばに家族がいるという安心感もあります。亡くなる数日前からは、『せん妄』という意識の障害を起こして落ち着きがなくなったり、幻覚を見たりするなどの症状が表れることが多いのですが、在宅のかたは入院のかたと比べ、それが軽くなる傾向がある印象です。結果として亡くなる前の苦しみが軽くなるように見える側面があるのです」

 在宅医療のエキスパートで多くの看取りを行ってきた長尾クリニック院長で医師の長尾和宏さんもこう話す。

「自然死、平穏死を迎えられるのは圧倒的に在宅です。反対に、大学病院などでは99%無理だといえる。なぜならば、医療が人の最期を苦しめている現状があるからです。よかれと思って続けている延命治療でも、ある時点からは余計な苦しみを生みかねないものです。

 たとえば、終末期に食べられなくなるのは自然なことなのに、そこに点滴で栄養を入れてしまえば、呼吸が苦しくなったり、腹水や胸水がたまる。すると、さらに水を抜くためのチューブをつなげられてしまう。医療が患者さんを苦しめるというのは皮肉なものです」

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン