芸能

高田文夫 立川志らくほどTVでブレイクした噺家はいない

イラスト/佐野文二郎

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、小僧のときから知る日大芸術学部の後輩、立川志らくがワイドショーの新MCとなったご祝儀コラムをお送りする。

 * * *
 今回の原稿はほとんど立川志らくへの御祝儀です。私の知る限りここまでテレビでブレイクした噺家はいないと思う。たしかに三平、円鏡(円蔵)は露出は多かったが、ポジションはあくまでもコメディリリーフ。かつて上方には仁鶴、三枝(文枝)と出まくっていたが……。

 今回志らくは、なんと毎日帯でワイドショーのメインMCだ。今まで通り10時25分からの『ひるおび!』を続行しながらの『グッとラック!』(月から金、朝8時から)である。この号が発売される9月30日からスタートというのだからめでたい。

 TBSはこのところしくじり続きで、『消えた天才』やら『クレイジージャーニー』が放送できなくなったとか。老婆心ながら、志らくがすぐに『消えたクレイジー』にならぬよう祈るばかり。ベンチに志の輔も談春もスタンバらせておくか。どちらにしても、ひと言多く正論を吐いちゃって自滅していく炎上商法とならぬよう。

 想えば35年も前か。私が若僧で超忙しくしている時、1日時間がとれたので日大芸術学部の落研の合宿へ顔を出した。学生達にとっちゃ憧れの爆笑王が来たので、パニックだ。そこに新間クンという学生がいた。

 ケン玉しかできない小僧さんだったが、私のネタをパクッたとかで落語だけは“ギャグだくさん”で面白かった。思いつめたそいつの手をとってあの立川談志のもとへ……さぁどうなるってところだが、そこらあたりの初対面のドキドキ、面白さをこの度、実は私が、一気に書きおろしたのである。

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