“二度あることは三度ある”“仏の顔も三度まで”と、昔の人はよく言ったものだ。3年に1回しか申告していなかったとすれば、今回はまさに3回目、税務署ではなく国税局が来るのも当り前。悪意はなくとも、それだけ税務署には悪質だと思われていたのだろう。
この想像を絶するだらしなさの背景にあるのは、彼の異常とも言える「先延ばし傾向」だ。どう考えても非合理的なのに、取り組むべき必要な課題を先延ばしにする傾向が高いのだ。怠け癖ならぬ“先延ばし癖”が付いているのだろう。巷ではこの癖を“先延ばし症候群”と呼ぶこともあるらしい。
芸人仲間らのコメントによると、徳井さんの場合、もともと性格的にずぼらだという。そこに納税に対する関心の無さ、申告作業への嫌悪、仕事等を優先させる他事優先、期限までに間に合わせることができない計画性の低さ、自分の問題点を分かっていながら放置するセルフモニタリングやセルフマネジメントの低さが重なった。どれも先延ばし傾向に見られる特徴である。
これまでにも無申告を繰り返し、その度になんとか納税をクリアし、追徴課税もポンと払えてきたことで、結果的に無申告が大きな失敗を招くと実感できなかった。社会的に決定的なペナルティになると認識できなかったのだ。会見時に話した「なんとかいけるのかなと思っていました」というのが本音だったのだろうが、国税局はそう甘くはない。
これからは「厳しい意識で税金に取り組んでいこうと思います」と述べた徳井さんだが、先延ばし癖による活動自粛という代償は1億円以上の追徴課税よりも大きいだろう。