芸能

波瑠vs高畑充希 秋ドラマ「女性の葛藤物語」の勝者は?

番組公式HPより

 女性の生き方について考察するドラマはトレンドの一翼を担っている。もちろん、多様性が叫ばれる時代の空気と不可分ではない。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。

 * * *
 今期のドラマにおいて注目の2作品。よい意味でライバル同士とも言えるのが『G線上のあなたと私』(TBS系火曜午後10時)と『同期のサクラ』(日本テレビ系水曜午後10時)でしょう。テーマ性やメイン視聴者層も共通するものがあります。描かれているのはいずれも「自分らしく生きていくにはどうしたらよいのか」ということ。こうした時代だけに、多くの人々の関心に届きそうです。

『G線上のあなたと私』はバイオリン教室で出会った稽古仲間の、人間関係や恋愛をからめつつ、主人公・也映子が生き方を探っていく物語。也映子に波瑠、主婦・幸恵に松下由樹、そして朝ドラで一久さんとして登場した新進気鋭の中川大志の三人組。

 中でも、見所の一つが中川さんの演技でしょう。朝ドラ『なつぞら』ではヒロインの夫役でしたが、あまりに良い人すぎてちょっと物足りなかった。しかし、それも一久さんという役柄の話。今回中川さんが演じている理人は、不器用で内向的で思いを胸一杯に抱えている大学生。そんな理人を、中川さんは的確に演じています。

 ご本人もまだ21才ながら、甘すぎない。チャラくない。腰が据わっていて落ち着きも感じさせる。役者としてのこれからに、期待を抱かせてくれています。第3話で見せた「シャッタードン」シーンに胸キュン視聴者が大騒ぎとなりましたが、それもこれも理人の内向的で抑え目の演技を、まずはしっかり演じ切ったことが、効いています。

 それに対して相手役・波瑠は、役者としてちょっともの足りないかも。也映子のキャラクター設定自体が宙ぶらりんということでもありますが。

 婚約を破棄されたアラサーで「私前に進めてる?」「本気の好きって何?」といつも自信の足りない也映子。居酒屋では酔って大泣きし、無職から職探しを始め、何とか自分の居場を手に入れたい、と願うモラトリアム。シリアスでもラブコメでもなくまさしく宙に浮いている感覚を、波瑠さんにはぜひ新しい魅力的演技として見せ切って欲しいものです。

 ドラマの撮影場所にはバイオリン教室、カラオケ、居間……と室内セットが多用されているのもやや単調。経費削減策なのか変化に乏しい印象です。物語のテンポも今一つ、主人公たちの話題も狭い人間関係に終始しがち。

 それもそのはずで、原作者・いくえみ綾さんは「劇的なことはおこらない」と言っています。ドラマ化ついて「日常生活の一コマにチクッとキラッと心に引っかかることがあれば幸いです」とコメントしている。そう、「キラッと心にひっかかる」シーンをもっともっと見せて欲しい。今後の展開を見守りましょう。

関連記事

トピックス

長男・泰介君の誕生日祝い
妻と子供3人を失った警察官・大間圭介さん「『純烈』さんに憧れて…」始めたギター弾き語り「後悔のないように生きたい」考え始めた家族の三回忌【能登半島地震から2年】
NEWSポストセブン
古谷敏氏(左)と藤岡弘、氏による二大ヒーロー夢の初対談
【二大ヒーロー夢の初対談】60周年ウルトラマン&55周年仮面ライダー、古谷敏と藤岡弘、が明かす秘話 「それぞれの生みの親が僕たちへ語りかけてくれた言葉が、ここまで導いてくれた」
週刊ポスト
小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン