国内

N国・立花孝志氏がホリエモンや清原和博氏に出馬要請する狙い

崎陽軒シウマイ不買運動を呼びかけ狙い通り炎上したN国・立花孝志党首

崎陽軒シウマイ不買運動を呼びかけ狙い通り炎上したN国・立花孝志党首

 炎上商法を実践しながら勢力を伸ばす政党「NHKから国民を守る党」の公約は「NHK集金人のトラブルを解決するために、集金行為が必要ないNHKのスクランブル放送化の実現」を目指すことだ。世間に漠然と存在するNHKへの反感を利用して、衆議院議員1名、参議院議員1名、市区町村議員31名へと勢力を伸ばしてきた彼らの勢いは、N国現象、一時的なブームととらえてよいものなのか。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』(集英社)の著者であるフリーランスライターの畠山理仁氏が、党首の立花孝志氏が考える公約実現、堀江貴文氏や清原和博氏へ出馬要請をする狙いをさぐり、一票を託す価値について考える。

 * * *
 NHKから国民を守る党(N国)の行動原理は「悪名は無名に勝る」の一言に尽きると言っていい。炎上による悪目立ちを繰り返しても、「反NHKの政党」というイメージが世間に広がりさえすれば、一定の得票が見込めるからだ。この世に「NHK」という巨大組織が存在する限り、N国が政界から消えることはないだろう。

 N国は先の参院選で「政党要件」を満たし、年間億単位の政党交付金を受け取る立場になった。税金から支出される政党交付金や議員歳費は、N国の政治活動を支えている。

 そして、あまり知られてはいないが、政党要件を満たした政党には巨大な既得権がある。政党要件を満たしている期間に国政選挙があった場合、候補者を立てて票が入れば、「当選者0」であっても得票割合に応じて政党交付金が支出されるのだ。だからこそ、「次期衆院選では289の小選挙区すべてに候補者を立てたい」(立花孝志党首)という野望も実現可能になっている。

 小選挙区の供託金は300万円。これに289選挙区をかけると、8億6700万円になる。しかし、仮に小選挙区での得票割合を「6%」として計算すると、4年間の政党交付金(衆議院小選挙区での得票割合分のみ)で十分お釣りが出る。立花党首は「1票あたり約80円」と計算しているが、有権者はすでに「打ち出の小槌」をN国に与えていると言ってもいい。

 そんな立花党首の座右の銘は「カネとオンナと票は、取りに行ったら逃げる」だ。だから有権者に嘘を言って無理をしたり、媚びたりすることはない。自らの言動を多くの人に理解してもらおうとも思っていない。「本音の自分を出していけばいい。嫌われてもいい」と言う。従来の常識や道徳、倫理観でN国を批判しても、まったく響かない理由がここにある。

 一般的には「品がない」と映るかもしれない。実際に筆者もそう感じた。だから立花党首とイベントで同席した際、面と向かって指摘した。すると、彼は胸を張ってこう言った。

「そんなことはわかっています。でも、悪役を辞めるつもりはありません。NHKのスクランブル放送化を実現するために、これからもどんどん炎上して、どんどん売名します」

関連記事

トピックス

米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
埼玉では歩かずに立ち止まることを義務づける条例まで施行されたエスカレーター…トラブルが起きやすい事情とは(時事通信フォト)
万博で再燃の「エスカレーター片側空け」問題から何を学ぶか
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
事業仕分けで蓮舫行政刷新担当大臣(当時)と親しげに会話する玉木氏(2010年10月撮影:小川裕夫)
《キョロ充からリア充へ?》玉木雄一郎代表、国民民主党躍進の背景に「なぜか目立つところにいる天性の才能」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
米利休氏とじいちゃん(米利休氏が立ち上げたブランド「利休宝園」サイトより)
「続ければ続けるほど赤字」とわかっていても“1998年生まれ東大卒”が“じいちゃんの赤字米農家”を継いだワケ《深刻な後継者不足問題》
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン