◆完成前に記事のコピーが流出

 法務・検察トップの検事総長は、オール検察の捜査の指揮監督権という強い権限を持つ。政界に汚職疑惑が浮上すれば、政治家にとって“最大の敵”となる。それだけに政治家は検事総長に親しい人物を据えて、検察ににらみを利かせたい。

 現在の稲田検事総長は来年8月に65歳の定年を迎え、後任の有力候補には、検察ナンバー2の黒川弘務・東京高検検事長と林真琴・名古屋高検検事長という2人がいる。法務・検察首脳部の本命は林氏の検事総長就任と目されている。そこに政治介入の動きがある。検察人事に詳しいジャーナリスト・伊藤博敏氏が語る。

「菅官房長官は官僚の人事権を握ることで現在のポジションを築いてきた。その菅さんの覚えめでたいのが黒川検事長です。黒川氏はかつて甘利明・元経済再生相の口利き疑惑の捜査では、特捜部ににらみを利かせて甘利氏を不起訴に持ち込んで政権を守ったとも検察内部で言われていた。菅さんにすれば、黒川氏を検事総長に据えて法務・検察を完全に掌握したい。しかし、それにはネックがある」

 高検検事長の定年は検事総長より2年早い63歳。黒川氏は来年2月に定年を迎え、退官しなければならない。総長への道を断たれてしまうのだ(林氏は黒川氏と同期入省だが、年齢は1歳下)。

「黒川氏を検事総長に据えるには、稲田現総長には定年前に退任してもらわなければならない。人事のタイムリミットは12月とされ、菅さんが腹心の河井氏を法務大臣に起用したのは、そうした検察人事の根回しのためという見方がなされていた」(同前)

 そのタイミングで怪文書が政界に流れた。法務行政関係者が神経を尖らせたのは、怪文書の背景に“稲田総長を早く交代させたい”との政治的意図を感じ取ったからではなかったか。

 しかし、逆に河井氏のスキャンダルが発覚し、辞任に追い込まれた。菅氏にすれば検察を掌握する有力な手駒を失ったかたちになる。

関連記事

トピックス

70歳の誕生日を迎えた明石家さんま
《一時は「声が出てない」「聞き取れない」》明石家さんま、70歳の誕生日に3時間特番が放送 “限界説”はどこへ?今なお求められる背景
NEWSポストセブン
イスラエルとイランの紛争には最新兵器も(写真=AP/AFLO)
イスラエルとの紛争で注目されるイランのドローン技術 これまでの軍事の常識が通用しない“ゲームチェンジャー”と言われる航空機タイプの無人機も
週刊ポスト
一家の大黒柱として弟2人を支えてきた横山裕
「3人そろって隠れ家寿司屋に…」SUPER EIGHT・横山裕、取材班が目撃した“兄弟愛” と“一家の大黒柱”エピソード「弟の大学費用も全部出した」
NEWSポストセブン
ノーヘルで自転車を立ち漕ぎする悠仁さま
《立ち漕ぎで疾走》キャンパスで悠仁さまが“ノーヘル自転車運転” 目撃者は「すぐ後ろからSPたちが自転車で追いかける姿が新鮮でした」
週刊ポスト
無期限の活動休止を発表した国分太一
「こんなロケ弁なんて食べられない」『男子ごはん』出演の国分太一、現場スタッフに伝えた“プロ意識”…若手はヒソヒソ声で「今日の太一さんの機嫌はどう?」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《模擬店では「ベビー核テラ」を販売》「悠仁さまを話題作りの道具にしてはいけない!」筑波大の学園祭で巻き起こった“議論”と“ご学友たちの思いやり”
NEWSポストセブン
1993年、第19代クラリオンガールを務めた立河宜子さん
《芸能界を離れて24年ぶりのインタビュー》人気番組『ワンダフル』MCの元タレント立河宜子が明かした現在の仕事、離婚を経て「1日を楽しんで生きていこう」4度の手術を乗り越えた“人生の分岐点”
NEWSポストセブン
元KAT-TUNの亀梨和也との関係でも注目される田中みな実
《亀梨和也との交際の行方は…》田中みな実(38)が美脚パンツスタイルで“高級スーパー爆買い”の昼下がり 「紙袋3袋の食材」は誰と?
NEWSポストセブン
5月6日、ニューメキシコ州で麻薬取締局と地区連邦検事局が数百万錠のフェンタニル錠剤と400万ドルを押収したとボンディ司法長官(右)が発表した(EPA=時事)
《衝撃報道》合成麻薬「フェンタニル」が名古屋を拠点にアメリカに密輸か 日本でも薬物汚染広がる可能性、中毒者の目撃情報も飛び交う
NEWSポストセブン
カトパンこと加藤綾子アナ
《慶應卒イケメン2代目の会社で“陳列を強制”か》加藤綾子アナ『ロピア』社長夫人として2年半ぶりテレビ復帰明けで“思わぬ逆風”
NEWSポストセブン
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《2人で滑れて幸せだった》SNS更新続ける浅田真央と2週間沈黙を貫いた村上佳菜子…“断絶”報道も「姉であり親友であり尊敬する人」への想い
NEWSポストセブン
ピンク色のシンプルなTシャツに黒のパンツ、足元はスニーカーというラフな格好
高岡早紀(52)夜の港区で見せた圧巻のすっぴん美肌 衰え知らずの美貌を支える「2時間の鬼トレーニング」とは
NEWSポストセブン