国内

安倍内閣は立場弱い者に居丈高 根底に学歴コンプレックスか

安倍首相は成蹊大学出身(時事通信フォト)

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」とは、故・竹下登首相が座右の銘にした言葉として知られ、政界では、権力を持つほど謙虚であれ、という戒めに使われる。だが、現政権はまるでその逆をいく。

 安倍晋三・首相は自らが主催する「桜を見る会」に国費で後援者を大量に招待して権威をひけらかし、首相側近議員たちもそれを見倣って後援会幹部を接待し“権力に近い”ことを誇示していた。政権をあげた“公然買収”というほかない。さらに安倍事務所が地元後援者向けに催した「前夜祭」についても、政治資金規正法、公職選挙法に触れる疑惑として追及が強まっている。

 その一方で立場の弱い者には居丈高になる。首相は国会で“弱小野党”の質問にヤジを飛ばし、側近の萩生田光一・文科相は大学入試改革を不安がる受験生に「身の丈に合わせて、頑張ってもらえば」と上から目線で言い放ち、新制度導入延期という混乱を招いた。

 根底にあるのは、現政権の閣僚に共通する“学歴コンプレックス”ではないか。

 現在の安倍政権は「反東大内閣」と呼ばれる。過去の自民党政権に比べて、東大出身の大臣が極端に少ないからだ。小渕内閣(7人)や第1次小泉内閣(6人)など、平均6~7人の東大出身者を擁してきた歴代自民党政権において、安倍内閣も第1次政権では7人の東大出身者を揃えた。ところが再登板後の第2次政権では発足時に4人(+東大大学院1人)、今回の改造内閣ではついに3人にまで減少している。

 政権中枢の政治家を見ても、安倍首相は小学校からエスカレーターで成蹊大を卒業、麻生太郎・副総理は初等科から大学まで学習院だ。対照的に菅義偉・官房長官は高校卒業後に段ボール工場で2年間働いた後、国立大学の受験に落ちて法政大学に入学している。

 新入閣の大臣も、目玉閣僚の小泉進次郎・環境相は留学組で、関東学院大学六浦中学・高校から同大学に進み、卒業後、米国コロンビア大大学院で修士号を取得している。

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン