番組の魅力は“予定調和なしの緊張感”にあり、その中心に蛭子能収がいた。運転手に「路線バスは走っていない」と説明されても「絶対にあるから。絶対にこの人たちの言うことを信じちゃいけない」と断言。旅館には宿泊したくないと主張し、マドンナの森下千里に「いいじゃん、別に」と言われると、「それは旅館の恐ろしさを知らないんだよ。変な旅館に泊まったことがないから」と怒り爆発。リーダーの太川がバス停の名前を忘れた時、蛭子が「え~! メモしてなかったの? 信じられない。リーダーなのにさあ」とこぼし、太川を激怒させたこともあった。

 真剣にゴールを目指すゆえのバトルが視聴者を惹き付けたのだ。

 だが、2015年頃から蛭子の傍若無人な言動は徐々に減っていき、旅館への嫌悪も薄れ、太川との対決も少なくなっていった。その影響もあったのか、視聴率は2ケタを割り込むようになった。

 不定期の『バス旅』は2017年1月限りで一度終了したが、復活を期待する声が大きく、今年4月から『太川蛭子の旅バラ』がレギュラー化。5月には『バス旅』が再開した。しかし、当初は1日でマドンナが交代したり、途中参加のゲストが加わったりするなど形式が変わり、『バス旅』特有の“緊張感”が薄れ、視聴率2.9%にまで落ち込んだ回もあった。

 7月以降、太川、蛭子、マドンナという3人体制に戻すと、徐々に数字が上昇。8月29日には7.9%、10月30日には8.1%と『旅バラ』の最高視聴率を更新していった。2017年1月の『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』の最終回が8.9%だったことを考えても、勢いを取り戻しつつあった。

 視聴率回復のヒントは、蛭子の発言に隠されていた。『旅バラ』になってからバトルを引き起こす言動が鳴りを潜めていたが、札幌から網走を目指した8月29日放送の車中で「喧嘩するシーンはいっぱい見たい」「人が揉めて、自分に関係ないのが1番いい」と本音を漏らす。

 折しも、この回では北海道に本社を置くセイコーマートで昼食をとりたいと希望する生駒里奈に対し、太川が難色を示して険悪な雰囲気になる。10月30日放送では、バスのルートで宇垣美里と太川陽介の意見が異なり、互いのイライラが画面から伝わってくる場面があった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《安達祐実の新恋人》「半同棲カレ」はNHKの敏腕プロデューサー「ノリに乗ってる茶髪クリエイターの一人」関係者が明かした“出会いのきっかけ”
NEWSポストセブン
イベントの“ドタキャン”が続いている米倉涼子
「押収されたブツを指さして撮影に応じ…」「ゲッソリと痩せて取り調べに通う日々」米倉涼子に“マトリがガサ入れ”報道、ドタキャン連発「空白の2か月」の真相
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《“奇跡の40代”安達祐実に半同棲の新パートナー》離婚から2年、長男と暮らす自宅から愛車でカレを勤務先に送迎…「手をフリフリ」の熱愛生活
NEWSポストセブン
元従業員が、ガールズバーの”独特ルール”を明かした(左・飲食店紹介サイトより)
《大きい瞳で上目遣い…ガルバ写真入手》「『ブスでなにもできないくせに』と…」“美人ガルバ店員”田野和彩容疑者(21)の“陰湿イジメ”と”オラオラ営業
NEWSポストセブン
明治、大正、昭和とこの国が大きく様変わりする時代を生きた香淳皇后(写真/共同通信社)
『香淳皇后実録』に見当たらない“皇太子時代の上皇と美智子さまの結婚に反対”に関する記述 「あえて削除したと見えても仕方がない」の指摘、美智子さまに宮内庁が配慮か
週刊ポスト
「ガールズメッセ2025」の式典に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月19日、撮影/JMPA)
《“クッキリ”ドレスの次は…》佳子さま、ボディラインを強調しないワンピも切り替えでスタイルアップ&フェミニンな印象に
NEWSポストセブン
結婚へと大きく前進していることが明らかになった堂本光一
《堂本光一と結婚秒読み》女優・佐藤めぐみが芸能界「完全引退」は二宮和也のケースと酷似…ファンが察知していた“予兆”
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)
《GPS持たせ3か月で400人と売春強要》「店ナンバーワンのモテ店員だった」美人マネージャー・田野和彩容疑者と鬼畜店長・鈴木麻央耶容疑者の正体
NEWSポストセブン
日本サッカー協会の影山雅永元技術委員長が飛行機でわいせつな画像を見ていたとして現地で拘束された(共同通信)
「脚を広げた女性の画像など1621枚」機内で児童ポルノ閲覧で有罪判決…日本サッカー協会・影山雅永元技術委員長に現地で「日本人はやっぱロリコンか」の声
NEWSポストセブン
三笠宮家を継ぐことが決まった彬子さま(写真/共同通信社)
三笠宮家の新当主、彬子さまがエッセイで匂わせた母・信子さまとの“距離感” 公の場では顔も合わさず、言葉を交わす場面も目撃されていない母娘関係
週刊ポスト
Aさんの左手に彫られたタトゥー。
《10歳女児の身体中に刺青が…》「14歳の女子中学生に彫られた」ある児童養護施設で起きた“子供同士のトラブル” 職員は気づかず2ヶ月放置か
NEWSポストセブン
鮮やかなロイヤルブルーのワンピースで登場された佳子さま(写真/共同通信社)
佳子さま、国スポ閉会式での「クッキリ服」 皇室のドレスコードでは、どう位置づけられるのか? 皇室解説者は「ご自身がお考えになって選ばれたと思います」と分析
週刊ポスト