ビジネス

サントリービール社長が力説、ビールに重要な「泡」の魅力

「プレモル」の製造ライン

 ビール系飲料の消費が年々縮小する中、来秋には酒税法改正も控える。そうした逆風の中、ビール業界で存在感を強めているのがサントリービールだ。2003年に「ザ・プレミアム・モルツ」、2007年に第3のビール「金麦」を投入してから好調を持続している。入社以来一貫してビール営業に携わってきた山田賢治社長(58)に「ビール復活の方策」を訊いた。

──このインタビューではまず、平成元年(1989年)当時、どんな仕事をしていたかを伺います。当時のサントリービールは苦しい戦いが続いていた。

山田:私は1984年の入社から4年間、神戸支店に勤務しました。最初の2年は伊丹や川西エリアの酒屋さんを220軒ほど担当し、後半の2年は尼崎で料飲店様向けの営業を担当しました。

 その頃はキリンビールさんの「ラガー」が非常に強く、サントリーのビールはどうやっても売れなかった。ですが、逆境ゆえに愛社精神は高まりましたし、ブランドが弱かったからこそ、「どうやって売るか」を必死で考えました。それが現在の当社のビール営業の強さにつながっているのだと思います。

 平成元年(1989年)は、大阪北支店に異動したばかりの頃です。本社のある堂島周辺での営業は花形でした。「花の大阪北支店」と呼ばれ、大きな高揚感があったことを覚えています。

 当時の主力商品は、1986年にデビューした麦芽100%ビールの「モルツ」で、酒屋さんや料飲店様に「モルツ」は好評でした。ところが、翌1987年に登場した「スーパードライ」(アサヒビール)が、瞬く間に市場を席巻していきました。世の中は「スーパードライ」一色でしたから、営業は厳しかったですね。

 当時はバブルの全盛期でビール業界は活性化していたはずなのですが、私には景気の良さなんてまるで感じられませんでした。少しでもサントリービールの良さをお客様に知ってもらいたいという思いで必死でしたね。

関連キーワード

関連記事

トピックス

小磯の鼻を散策された上皇ご夫妻(2025年10月。読者提供)
美智子さまの大腿骨手術を担当した医師が収賄容疑で逮捕 家のローンは返済中、子供たちは私大医学部へ進学、それでもお金に困っている様子はなく…名医の隠された素顔
女性セブン
吉野家が異物混入を認め謝罪した(時事通信、右は吉野家提供)
《吉野家で異物混入》黄ばんだ“謎の白い物体”が湯呑みに付着、店員からは「湯呑みを取り上げられて…」運営元は事実を認めて「現物残っておらず原因特定に至らない」「衛生管理の徹底を実施する」と回答
NEWSポストセブン
北朝鮮の金正恩総書記(右)の後継候補とされる娘のジュエ氏(写真/朝鮮通信=時事)
北朝鮮・金正恩氏の後継候補である娘・ジュエ氏、漢字表記「主愛」が改名されている可能性を専門家が指摘 “革命の血統”の後継者として与えられる可能性が高い文字とは
週刊ポスト
英放送局・BBCのスポーツキャスターであるエマ・ルイーズ・ジョーンズ(Instagramより)
《英・BBCキャスターの“穴のあいた恥ずかしい服”投稿》それでも「セクハラに毅然とした態度」で確固たる地位築く
NEWSポストセブン
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「箱わなで無差別に獲るなんて、クマの命を尊重しないやり方」北海道・知床で唱えられる“クマ保護”の主張 町によって価値観の違いも【揺れる現場ルポ】
週刊ポスト
火災発生後、室内から見たリアルな状況(FBより)
《やっと授かった乳児も犠牲に…》「“家”という名の煉獄に閉じ込められた」九死に一生を得た住民が回想する、絶望の光景【香港マンション火災】
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン