国内

薬物元売人「芸能人はカネ持ってて勘違いしてる良い客だ」

薬物売人のいいカモにされてしまう芸能人

 大音量のハウスミュージックと、ミラーボールが放つ光の筋が降り注ぐダンスフロアで、大勢の男女が大波のように揺れている。その脇のらせん階段を上がると、屈強なセキュリティー(警備員)が行く手を塞いでいた。その先にあるのは、クラブ関係者やイベント主催者など、特別な人しか入ることが許されないVIPフロアである。

 芸能人は“顔パス”だ。セキュリティーも心得たもので、彼らに身分証を要求するなどして、気分を害されたら大事になる。

 VIPフロアには黒い革張りのソファが並び、吹き抜けとなっていて下のダンスフロアで踊る“一般人”を見下ろすことができる。まさしく、選ばれたメンバーだけの特別な空間。目の前で直径2mはあろうかという巨大なミラーボールが不規則に回り続ける。

 フロアに入るとすでに飲み始めている友人が自分に気づき、嬌声をあげた。

 吹き抜けから下界を見下ろしながら、恋人と、東京の夜を知り尽くしたかっこいい遊び人の友達と、まず駆け付けにシャンパンで乾杯。背の低いソファに腰かけて仲間同士盛り上がる者、VIPフロアで踊る者もいる。ここでは全員が知り合いで、何をしても許される。

 DJがダンスミュージックを爆音でかけ、ゲストが酒と踊りに耽るクラブには、大きく2種類あるといわれる。

 若い男女が出会いを求めて集まる場所を「ナンパ箱」という。フロアは積極的に女性に声をかける男性と、声をかけられるのを待つ女性であふれている。流れる音楽にはそこまでこだわりがない。

 一方、純粋に音楽を楽しみたい人が行くのが「音箱」だ。年齢層が少し高めのオトナの男女が集い、音楽性を追求する“業界人”も多い。その中でもVIPフロアには、カネと人脈を持つ者たちだけが集まっている。もっと楽しみたい、もっと感覚を研ぎ澄ませたい、もっと狂いたい──欲望が加速していくと、特別な「アイテム」に辿り着く。それがドラッグだ。

 盛り上がっているみんながやっている。「これ、いいよ」と手渡された1錠。シャンパンとVIPフロアにいる高揚感の中で、その誘惑にあらがえるのか──。

◆沢尻が持っていたのは通称「ピュア」

 沢尻エリカ(33才)は11月16日土曜日の早朝、自宅に合成麻薬「MDMA」を所持していたとして、警視庁に麻薬取締法違反容疑で逮捕された。その前夜、沢尻は「音箱」として知られる東京・渋谷のクラブ「W」であったパーティーに参加し、4階のVIPフロアで朝まで飲み明かした。沢尻の知人は「連日のNHK大河ドラマの撮影で忙しかったが、その翌日はたまたまオフだった」と明かす。帰宅と同時に捜査員の職務質問を受け、家宅捜索の結果、自宅から2つのカプセルに入ったMDMAが発見された。

 メチレンジオキシメタンフェタミン、いわゆるMDMA。強い幻覚作用と興奮作用を併せ持つ麻薬で、経口服用の錠剤型が多用される。「エクスタシー」「バツ」などの通称で知られ、対人親密感や共感、性的感覚が興奮する効果があるという。

薬物事件を起こしたASKA(時事通信フォト)

関連記事

トピックス

世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン