長年薬物を買い続けることも

 売人と使用者の双方が最も気を使うのが、捜査当局による「摘発リスク」だ。覚せい剤で逮捕歴のある飲食店経営者は言う。

「『ありますか?』程度の会話ならLINEやメールでやりとりすることがあるが、もし相手方が捕まって、『シャブ』とか『バツ』とか一目見てそれとわかる内容が書いてあったらアウト。基本的には“文字”が残らない通話で物事を決めている。売人は24時間電話対応できるやつじゃないと務まらない。携帯電話で相手の番号を登録することはしないで、数字の羅列で誰の電話番号か記憶している。携帯はもちろん他人名義の、いわゆる『飛ばし』ですね」

 そうした売人からすれば、社会的立場に比して法律や経済知識の疎いタレントは格好のカモでしかない。違法薬物の売買にかかわったことがあるという暴力団関係者は言う。

「タレントはバレたら一発で終わりなので、絶対に本人の口から洩れることはない。ただし、パクられた時は大騒動になるので、こっちも危なくなる。その分のリスクもあるから、通常の値段の2倍か3倍で売りますよ。芸能人がいいのは、周りに金持ちが群がってくること。客寄せパンダになってくれるから、“販路”を拡大することもできます」

 そんな“おいしいお客”は摘発されたぐらいでは離さないという。

「パクられたやつは、本当に反省しているならやめられますが、本心で悪くないと思っているやつは必ずもう一度薬物に手を出す。芸能人は“自分は特別”という意識が強いから、ほとぼりが冷めるとまたクスリをやりたがるやつが多い。事件になっていても、はっきり言って、売る側からしたら、引く手あまた。『うちならバレませんよ。買いませんか』と新たに近づいてくる売人も多いでしょう」(前出・暴力団関係者)

※女性セブン2019年12月19日号

過去には酒井法子も(時事通信フォト)

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