スポーツ

阪神JF 「桜花賞候補」と「異端」の馬の見極めがカギだ

若駒の将来を占う一戦(阪神競馬場のパドック)

 振り返ってみればメンバーの能力差が極めて大きいレースだった、ということもあるのが2歳GIである。競馬ライター・東田和美氏が分析した。

 * * *
 平成以降の桜花賞馬31頭のうち、阪神ジュベナイルフィリーズ(JF)に出走していたのは12頭で9頭が3着以内。また桜花賞で1番人気になりながら勝てなかった21頭のうち12頭がJFに出走して8頭が勝っており、すべてが3着以内。ともに勝っているのは4頭と意外に少ないので、JFがすべてとは言わないが、次週の朝日杯フューチュリティSよりは、来年のクラシック、とくに桜花賞につながっていると言える。

 どの馬もキャリアが浅いので、過去のデータをもとに予想をすることの愚は重々承知している。むしろ、傾向から外れた「異端」を探し出すことが大事だと自戒しているが、上位馬は、この時点ではみな来春のクラシック候補らしい成績を残している。

 JFの前身、阪神3歳牝馬Sが始まったのは1991年。勝ち馬28頭のうち、3戦3勝が2頭、2戦2勝にいたっては8頭。この10頭のうち8頭は重賞かオープン特別を勝っている。2頭がキャリア5戦で勝っているが、いずれもこのレース後一度も入着がない「異端」。

 一方、1995年に3連勝で2歳女王になったビワハイジの娘であるブエナビスタとジョワドヴィーヴルは、ともに初勝利後に2歳女王の座をつかみ取っている。この2頭を含めて1勝馬でも過去7勝している。

 勝ち馬のうち馬券圏内を外したことがあるのは4頭だけ(うち2頭は前出のキャリア5戦馬)。2002年以降の勝ち馬は、それまで4着以下に敗れたことがない馬ばかり。2着馬でも4着以下の敗戦があるのは5頭だけで、2002年以降は1頭だけ。3着馬で圏外に敗れた過去を持つ馬は28年間で3頭しかいなかった。

 平成以降の桜花賞馬を見ると、31頭中21頭がデビュー勝ちで2着が7頭、3着は2頭だが、これがブエナビスタとアパパネ。レジネッタだけがデビュー戦10着、さらにJFも6着という結果だったが、桜花賞を12番人気で勝ち、700万馬券の立役者になっているように、やはり「異端」の馬だったのだ。31頭中22頭は2戦目以降も3着以内をキープし続け、本番で桜の女王となった。

 ノーザンファーム生産馬は2007年からの6連覇をはじめ、過去9勝。昨年は3着まで独占、一昨年もワンツーを決めている。このレースに限らず、GIとなるとノーザンファーム生産馬ばかりになることも多いが、今年のJFは3頭の出走にとどまっている。

 人気の中心は、そのうちの2頭、新馬→重賞と連勝してきたリアアメリアとレシステンシア。さらに、やはり新馬→重賞勝ちのダーレーJF生産ウーマンズハートを加えて3強と言われているが、この3頭の組み合わせでは、とうてい高配当は期待できない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

昭和館を訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年12月21日、撮影/JMPA)
天皇ご一家が戦後80年写真展へ 哀悼のお気持ちが伝わるグレーのリンクコーデ 愛子さまのジャケット着回しに「参考になる」の声も
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
《ジャンボ尾崎さん死去》伝説の“習志野ホワイトハウス豪邸”にランボルギーニ、名刀18振り、“ゴルフ界のスター”が貫いた規格外の美学
NEWSポストセブン
西東京の「親子4人死亡事件」に新展開が──(時事通信フォト)
《西東京市・親子4人心中》「奥さんは茶髪っぽい方で、美人なお母さん」「12月から配達が止まっていた」母親名義マンションのクローゼットから別の遺体……ナゾ深まる“だんらん家族”を襲った悲劇
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
1年時に8区の区間新記録を叩き出した大塚正美選手は、翌年は“花の2区”を走ると予想されていたが……(写真は1983年第59回大会で2区を走った大塚選手)
箱根駅伝で古豪・日体大を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈3〉元祖“山の大魔神”の記録に挑む5区への出走は「自ら志願した」
週刊ポスト
12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
〈タバコに似ているとの声〉宮内庁が加湿器と回答したのに…秋篠宮さま“車内モクモク”騒動に相次ぐ指摘 ご一家で「体調不良」続いて“厳重な対策”か
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト
米倉涼子の“バタバタ”が年を越しそうだ
《米倉涼子の自宅マンションにメディア集結の“真相”》恋人ダンサーの教室には「取材お断り」の張り紙が…捜査関係者は「年が明けてもバタバタ」との見立て
NEWSポストセブン
死体遺棄・損壊の容疑がかかっている小原麗容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「人形かと思ったら赤ちゃんだった」地雷系メイクの“嬢” 小原麗容疑者が乳児遺体を切断し冷凍庫へ…6か月以上も犯行がバレなかったわけ 《錦糸町・乳児遺棄事件》
NEWSポストセブン
11月27日、映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を鑑賞した愛子さま(時事通信フォト)
愛子さま「公務で使った年季が入ったバッグ」は雅子さまの“おさがり”か これまでも母娘でアクセサリーや小物を共有
NEWSポストセブン
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン