3つの山口組抗争「次なる発火点」

 その後、竹内組は第三勢力である任侠山口組に移籍したが、六代目山口組の最大勢力である弘道会系組長を拉致するなどトラブルが絶えない。地方都市の狭いコミュニティでは、怨恨や対立が簡単には消えない。

 山口組の総本部がある神戸市を抱える兵庫県では、今年になって抗争事件が立て続けに起きた。神戸山口組の最大組織・山健組の地盤でもある。あちこちに組の拠点があり、元来、事件が起きやすい。

 尼崎市で神戸山口組幹部を射殺したヒットマンは、六代目山口組傘下の二代目竹中組に在籍していた。破門処分となっていても、これだけ大きな事件を起こせば無関係だと言い逃れできない。報復対象の筆頭は二代目竹中組に違いない。その地盤も兵庫県の姫路市だ。

 二代目竹中組の安東美樹組長は山一抗争(※注)で、一和会会長宅に自動小銃を撃ち込み、ロケット弾を発射して長期刑に服役した過去を持つ。

【※注/1984年、竹中正久組長が山口組四代目を襲名したことに反対した反竹中派が「一和会」を結成。竹中組長は一和会に殺害され、山口組は報復に動いた。1989年の一和会解散までに双方で25人の死者を出した】

 安東組長は六代目山口組で若頭補佐という要職に就いている。交渉や外交役となることも多く、他団体の義理事でも頻繁に姿が目撃される。つまりは六代目山口組側の大幹部だ。

 二代目竹中組の本部がある姫路市には、神戸山口組の“幹部”(役職の総称ではなく、文字通り「幹部」という役職)の事務所も存在している。双方の最高幹部クラスが狭いエリアで“同居”しており、緊張が絶えない。

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