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韓国元徴用工の肉声 本当に金による解決を望んでいるのか

元徴用工たちが取材に応じた

 12月下旬、1年3か月ぶりの日韓首脳会談が実現しようとしている。そこで焦点となるのが徴用工問題だ。昨年末の韓国最高裁の判決によってくすぶり続けている問題は、実際に「元徴用工」たちの肉声を聞くことによって、違う核心が見えてくる。ジャーナリストの赤石晋一郎氏が現地取材で得た証言とは──。

 * * *
 ソウル市の郊外、城南市で待ち合わせした老人は、独りで暮らす自宅で取材に応じてくれた。

「日本人のほうが韓国人より、いい人が多かったと私は考えています。私が炭鉱で働いていた時代、日本人にはとても親切にされた思い出があります」

 こう語る崔漢永氏(91)は、徴用工として日本で働いた経験を振り返り、「私は日本人が好きでした」と語った──。

 11月22日に韓国政府が下したGSOMIA継続の決断以降、日韓関係の焦点として再浮上しているのが「徴用工問題」だ。

 昨年末に元徴用工が日本企業を訴えた裁判で、韓国大法院(最高裁)は日本製鉄(元・新日鉄住金)、三菱重工に対して、相次いで賠償を命じる判決を下した。同判決を契機に韓国内では徴用工問題は“奴隷労働”の歴史だったという議論が沸騰し、ソウル龍山駅前などの各地に徴用工像が相次いで建設される事態となった。

 そうした状況の解決を目指し、11月末に文喜相・国会議長が「記憶・和解・未来財団」の設立を提唱した。

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