【準大賞】
◆麻生太郎副総理「報告書は受け取らない」
麻生氏は老後2000万円問題で「存在感」を示した(写真/共同通信社)
〈年金だけでは老後資金が2000万円不足する〉。金融審議会の報告書の内容は大きな波紋を巻き起こした。
この報告書が公表された当初、麻生氏は「100歳まで生きる前提で自分なりにいろんなことを考えていかないとダメだ」と内容を支持していた。
ところが、高齢者を中心に不安の声が強まると、「政府の政策スタンスと違う報告書は受け取らない」(6月11日)と拒否した。
政府の審議会は、政策を決定する前に広く国民から多様な意見を汲み上げるために開かれる。この報告書も大学教授やエコノミスト、大企業経営者など21人の有識者によってまとめられたものだ。
それを「政府の政策スタンスと違う」という理由で受け取らなかった麻生氏の態度は、最初から違う意見を聞かないという民主主義の否定そのものだ。