国内

精神科医と患者の性的関係が海外で禁じられている背景

多くの医師はリスクを負いながら全力で治療にあたっているが(写真はイメージです)

 嵐の二宮和也(36)と元フリーアナウンサー、オードリーの若林正恭(41)と20代の看護師、イモトアヤコ(33)と日本テレビ系『世界の果てまでイッテQ』のプロデューサーなど、2019年秋以降の芸能界は空前の結婚ラッシュが続いた。そのなかで話題を呼んだのが、元「ももいろクローバーZ」の有安杏果(24)と、25歳年上の A氏(49)との結婚だ。A氏は都内でクリニックを開業する精神科医で、有安がももクロ時代から主治医を務めていたと報じられた。

 2019年11月24日に有安がInstagramでA氏との結婚を発表すると、投稿から3時間で1万2000件以上の「いいね」がつく一方、ネットを中心に「素直に祝福できません」「精神科医と患者が結婚してもいいの?」との声が多数寄せられて賛否両論となった。

「有安さんのケースはさておき、一般的に精神科の患者が主治医に恋愛感情を抱くことはあるのですが、それから発展して性的関係を持つようになるのは問題です」と指摘するのは、精神科医の片田珠美氏だ。

「精神科の患者は、治療中に自分の悩みを真剣に聞いてくれ、何でも相談できて頼りになる主治医に恋愛感情を抱きやすい。これを精神分析の創始者であるフロイトは『転移性恋愛』と名づけて、“気をつけなければいけない”と警告しました。

 そもそも精神科を訪れる患者は精神的に弱っているケースが多く、アドバイスをくれる医師を“この人がいないと生きられない”と思い込むほど実際以上に高く評価する傾向があります。これは、フロイトが『ほれこみ』と呼んだ精神状態です」(片田氏)

 心身が弱っている患者は悩みを真摯に聞いてくれる主治医に恋心を抱きやすいとの指摘だが、なぜ、転移性恋愛は「気をつけなければいけない」のだろうか。

「転移性恋愛が生じると、主治医が患者の愛情欲求を満たさなければ治療が中断することもあります。また、一時的な恋愛関係を結んだとしても、その後で患者が精神的に傷ついたり、主治医に対する怒りや復讐心を持ったりすることもあります。たとえ結婚しても、転移性恋愛は治療関係を通して引き起こされるのであり、必ずしも医師個人の人柄に魅力を感じたわけではないので、結婚生活に幻滅するかもしれません。

 様々なリスクがあるからこそ、フロイトは患者とは距離を置き、深みにはまらないことを精神科医に求めました」(片田氏)

関連記事

トピックス

若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「正しい保守のあり方」「政権の右傾化への憂慮」などについて語った前外相。岩屋毅氏
「高市首相は中国の誤解を解くために説明すべき」「右傾化すれば政権を問わずアラートを出す」前外相・岩屋毅氏がピシャリ《“存立危機事態”発言を中学生記者が直撃》
NEWSポストセブン
3児の母となった加藤あい(43)
3児の母となった加藤あいが語る「母親として強くなってきた」 楽観的に子育てを楽しむ姿勢と「好奇心を大切にしてほしい」の思い
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
神戸ストーカー刺殺“金髪メッシュ男” 谷本将志被告が起訴、「娘がいない日常に慣れることはありません」被害者の両親が明かした“癒えぬ悲しみ”
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
木瀬親方
木瀬親方が弟子の暴力問題の「2階級降格」で理事選への出馬が絶望的に 出羽海一門は候補者調整遅れていたが、元大関・栃東の玉ノ井親方が理事の有力候補に
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン