スポーツ

上原浩治氏を臨時コーチとしても呼べない巨人特有のお家事情

引退会見で涙を流した上原浩治氏(写真:時事通信フォト)

「僕が巨人のユニフォームを着ることはほぼないと思うので……」。1月3日、BSテレ東の『再会 ~今だから言える、聞ける、話せること~』で昨季で引退した上原浩治と阿部慎之助が対談した。(文中一部敬称略)

 2人は阿部が2001年、巨人に入団してから上原がFAでメジャーへ移籍するまでの8年間バッテリーを組み、3度の優勝、1度の日本一を達成した名コンビだった。野球担当記者が話す。

「ともに2000年代の巨人を引っ張ってきた選手ですが、引退に至る過程は対照的でした。上原は自身の決断とはいえ、5月に発表したこともあり、引退セレモニーもなし。阿部は本拠地最終戦で『4番・捕手』でスタメン出場し、試合後にはスピーチもあった。上原にも来季のオープン戦で引退試合が行なわれる可能性は残っていますが……」(以下同)

 対談の最後に、2人が将来同じユニフォームを着る可能性を問われると、冒頭のように上原が答えた。番組では、来季から2軍監督に就任する阿部に『生え抜きは違う』と漏らす場面もあり、最後には松井秀喜や高橋由伸、阿部と同じチームでまた戦えたらという理想も語った。

「上原は巨人からオファーさえあれば、指導者になる気もあるのではないでしょうか。しかし、巨人では一度、自らチームを出て行った選手が監督やコーチとして舞い戻るケースはほとんどない。上原が現役選手として2018年にメジャーから巨人に戻ったのは例外中の例外と言えます。同級生の盟友である高橋由伸監督、鹿取義隆ゼネラルマネージャー(ともに当時)の尽力が大きかった。しかし、その2人はもう球団にいません」

 今季の首脳陣を見ても、巨人で現役を終えた選手がほとんどだ。

「2軍投手コーチの木佐貫洋や3軍総合コーチの二岡智宏のように、巨人がトレードで放出した選手の場合、引退後に帰って来るケースはあります。しかし、自分から袖にしたと考えられれば、復帰は難しい。それでも巨人が復帰を懇願するのは、松井秀喜くらいでしょう。

 たとえば、川相昌弘は2003年で現役を終えて翌年からコーチに就任するはずでしたが、原辰徳監督が急遽辞任したことで、去就も宙ぶらりんになり、中日に移籍した。このような経緯があったので、コーチとして巨人に復帰できた。それでも、2006年の引退から4年間は指導者として中日に残り、巨人に戻ったのは2011年でした。2015年限りで原監督が辞めた後、川相がヘッドコーチから監督に昇格する選択肢もあった。でも、選手として他球団のユニフォームを着ていたことがネックになったという噂もあります」

関連記事

トピックス

若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「正しい保守のあり方」「政権の右傾化への憂慮」などについて語った前外相。岩屋毅氏
「高市首相は中国の誤解を解くために説明すべき」「右傾化すれば政権を問わずアラートを出す」前外相・岩屋毅氏がピシャリ《“存立危機事態”発言を中学生記者が直撃》
NEWSポストセブン
3児の母となった加藤あい(43)
3児の母となった加藤あいが語る「母親として強くなってきた」 楽観的に子育てを楽しむ姿勢と「好奇心を大切にしてほしい」の思い
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
神戸ストーカー刺殺“金髪メッシュ男” 谷本将志被告が起訴、「娘がいない日常に慣れることはありません」被害者の両親が明かした“癒えぬ悲しみ”
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
木瀬親方
木瀬親方が弟子の暴力問題の「2階級降格」で理事選への出馬が絶望的に 出羽海一門は候補者調整遅れていたが、元大関・栃東の玉ノ井親方が理事の有力候補に
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン