以降、怒濤のような『同語反復』が始まる。9分から29分48秒にMF相馬勇紀(鹿島アントラーズ)のゴールで日本が同点に追いついた直後までの約21分間を振り返ってみよう。
9分:「こっからだ、こっから」
11分:「慌てないでいい、慌てない」「チャンスだ、チャンスだ、チャンスだ」
14分:「キーパー! キーパー!」
17分:「よしよし!」「おーよしよし!」「コーナー、コーナー、よしコーナー」(*注3)「コーナー! コーナー、コーナー」
18分:「これ! これこれ! これこれこれこれ」「ナイスカバー、ナイスカバー!」
24分:「さあ、こぼれ…こぼれたところ」「ぐるぐるぐるぐる」
25分:「そうです、そうです」
26分:「中盤だよ、中盤!」「ゴーゴーゴー!!!」「まだまだまだあぁ」「早め早め!」
27分:「でもいい、いい」「いいリズムだ、いいリズムだ」
29分:「うん、うん」「いいよ、いいよ」「周り、周り」「逆サイド! 逆サイド! 逆サイド!」「よおーーーし! よし! 相馬! よし! 相馬!」(※『よおーーーし! よし!』『よし! 相馬! よし! 相馬!』で各1カウント)
【*注3:前半17分「コーナー、コーナー、よしコーナー」 は途中に『よし』があるので、連続2回と判定】
失点するまで4回だった『同語反復』は、先制を許した直後から同点に追いつくまでの21分で実に25回を数え、1分に1回を上回るペースを記録した。つまり、松木氏は劣勢に立つと、言葉を繰り返す傾向があるのだ。
同点に追い付いた後も、松木氏の『同語反復』は止まらず、キックオフ前の30分から前半終了47分までの17分間で「拾った、拾った、拾った」「よぉお~ぅ~~おお~~」(*注4)など17回を数えた。後半に入ると、42分50秒に勝ち越しゴールを許すまでの間には「サイド! サイド!」「ファールしない、ファールすんな、ファール…ノーファールで」(*注5)など28回。1対2とリードされた後半44分のキックオフから試合終了までの5分間では「1人いけ! 1人いけ!」「ファール!ファール!」など8回となった。
【*注4:松木氏の場合、前半46分「よぉお~ぅ~~おお~~」のような「おお~」「ああ~」関連の言い方は、人によって書き起こしに誤差が生じやすいため、「よぉお~ぅ~~」も「おお~」と同義と考える。後半32分「うおぉい!おい!おい!」の「うおぉい!」と「おい!」の関係も同様】
【*注5:後半7分「ファールしない、ファールすんな、ファール…ノーファールで」の『ファールしない』、『ファールすんな』、『ノーファール』は意味的には同じだが、微妙に言葉が変わっているので、『同語反復』とは判断しない。『ファールすんな、ファール…』は『すんな』を省略していると考えられるため、ここは2回連続でカウント】