◆第2のワークマンになれるのか
2019年、「フォーエバー21」や「アメリカンイーグル」など大手の海外ブランドが日本から撤退したが、その一方で、低価格を売りにする日本のアパレル企業は好調を維持している。
例えば、ワークマンは作業服から派生したおしゃれ着ブランドが大ヒット。“ワークマン女子”まで現われ、躍進の原動力になった。日常使いを意識した女性向けの商品開発や店づくりを強化し、ワークマン本来の特徴である「機能性」と「低価格」に「かわいさ」を加味し、2019年末に株価1万円を実現させた。
そして、真打ち・ニトリの登場である。マーケットは飽和状態といわれるアパレル市場に参入が相次ぐのはワークマンの成功にあやかろうとする動きだ。ニトリは長期的目標として、2032年に3000店、売上高3兆円を掲げている。これを達成するための切り札の一つがアパレルなのだ。
果たしてニトリは“第2のワークマン”になれるのか──。ワークマンは開発段階から女性の消費動向を左右するインフルエンサーと呼ばれる人々から意見を聴き、商品に反映させている。新しい業態の店「ワークマンプラス」が起爆剤となった。
ニトリのキャッチフレーズである「お、ねだん以上」をファッションで実現させるのは、そう簡単ではない。まずは「Nプラス」がどこまで消費者に受け入れられるか、お手並み拝見といったところだ。