国際情報

台湾の「中国化」を阻止した香港からの檄、総統選現地ルポ

熱狂に包まれる蔡陣営(写真/katsu)

 この総統選は、台湾のみならず東アジアの命運を握るものだった。香港で反政府デモの嵐が巻き起こるなか、台湾の民意は中国の介入に「NO」を突きつけた。実に投票率74.9%。自由と人権を守るための熱い戦いを、長く台湾情勢を取材し続けているジャーナリスト・門田隆将氏が報告する。

 * * *
 1月11日午後9時。台北市中正区北平東路の民進党本部前に設えられたステージの前には、4年前の総統選に勝るとも劣らない数の群衆が詰めかけていた。 開票が進むにつれ、蔡英文の得票数が史上最多の800万票に迫っていた。立法院選も、民進党が過半数を超えることは確実になっていた。

 当確が出る度に、大歓声が巻き起こる。異様な熱気の中、ステージの上でスタッフが勝利の雄叫びを上げていた。

「われわれ台湾人は自由を守り抜いた! 蔡英文は、ここ台湾が自由で民主の地であることを世界に示したんだ」

「ここには香港の人たちも沢山来てくれている。香港を取り戻せ! 時代の革命だ! 台湾はあなたたちを応援する!」

「私たちは投票によって香港のために声を上げた。それは私たち台湾のためでもある!」

 民進党の緑の旗に交じって、「光復香港 時代革命」という旗が打ち振られていた。黒地に白い文字の香港デモ隊の旗だ。

 ああ、香港からこんなに多くの若者が来てくれていたのか。喜びに満ちた彼らの表情を見て、私は胸が熱くなった。まさに彼らこそ、蔡英文勝利の立役者であり、「真の主役」だったからだ。

関連記事

トピックス

二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
4月3日にデビュー40周年を迎えた荻野目洋子
【デビュー40周年】荻野目洋子 『ダンシング・ヒーロー』再ヒットのきっかけ“バブリーダンス”への感謝「幅広い世代の方と繋がることができた」
週刊ポスト
日本のブライダルファッションの先駆け的存在、桂由美さん
《芸能人も多数着用》桂由美さんが生前嘆いていた「ナシ婚」 ウエディングドレスで「花嫁を美しく幸せにしたい」強い思い
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン