相方による「他薦」サポートの効果があった田村亮(右/時事通信フォト)
2人の立ち位置に違いが出た二つ目の理由は、「自薦と他薦の違い」かと思います。芸能界への復帰を自薦するような言動と、相方が全力でサポートする他薦では、世論の受け止め方が違います。
それは書籍のPR効果と同じです。新聞や週刊誌に書評が掲載されるのと、広告が掲載されるのでは、読者の皆さんの受け止め方は違います。前者は他薦で後者は自薦ですので、前者のほうがPR効果は大きいのです。それと同じ違いが出たのでしょう。
違いが出た三つ目の理由は、「唐突感の有無」かと思われます。唐突感は周囲との温度差を解消しないまま行動を起こすと発生します。
田村さんの復帰の始め方は、従来からあったライブへの出演でした。一方、宮迫博之さんは、何の説明もなく、いきなりユーチューバーを標榜してしまいました。これにはテレビ関係者や芸人仲間も驚いた違いありません。
人は唐突なことに理解が追い付かないと、違和感や不快感を覚えてしまうものです。あるいは、深読みをして“あざとさ”を勘ぐったりします。直近では、WHOのテドロス事務局長が好例です。
新型コロナウィルスで非常事態を宣言した時、唐突に中国を擁護する発言をしました。それを多くの人に、「何か含むところがあっての発言ではないのか?」と勘繰られてしまったのです。宮迫さんの行動に「YouTubeを逃げ場や復帰の踏み台にしたのでは?」という意見が散見されるのも、そうした理由からでしょう。