ただ、こうしたスキー人口の落ち込みをカバーしているのが、外国人観光客です。四季がちょうど逆転しているオーストラリアやニュージーランドなどからのスキー客や、雪の珍しい東南アジアや中国南部からの観光客、さらに韓国などからも多くのスキー客が訪れるようになりました。
そのおかげで、例えば長野県大町市・白馬村・小谷村の10のスキー場で構成される日本最大のスノーリゾート「HAKUBA VALLEY」では、2017年から2018年の冬季の総来場者数は約155万5000人、前年比約3%増とほぼ横ばいになっています。そのうち、外国人スキー客数は、前年比約45%増の約33万人となり、総来場者数の約21%を外国人が占めるようになっています。
国別では、オセアニアが半数以上を占め、次いでアジア、欧州、北米となっており、その中でも中国、欧州各国からの増加が顕著になってきています(HAKUBA VALLEY 索道事業者プロモーションボード/2018年6月6日発表)。
中国では、2022年に北京冬季オリンピック開催が決定しています。そのため、ちょうど日本で長野冬季オリンピックが開催された時と同様にスキー&スノーボードブームが起こっており、中国政府はウィンタースポーツ人口を3億人とする目標を立てています。中国のスキー場は人工雪のゲレンデが多く、天然の雪で楽しめる日本のスキー場にとっては、巨大な市場が生まれていることになるのです。