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2020.02.11 07:00  NEWSポストセブン

武蔵小杉のタワマン住民が川崎市に水害対策要望書、その是非

 今回、武蔵小杉の一部タワマンで起こったことは、台風がもたらした被害の一部ではある。しかし、誰かが亡くなったり重傷を負ったりしたわけではなく、住戸に住めなくなったのでもない。家が流されたり、床上浸水で住戸内が泥だらけになったりしたわけでもない。

 ただ、あの47階建てのマンションで何が起こったのか──詳しいことは分からない。いったい、どういう被害が発生したのかをつまびらかにしないのに、行政に対しては大仰な「要望書」を突き付けて、回答期限まで定められている。

 武蔵小杉のタワマンで浸水被害が発生して以降、私のところには「タワマンは災害に強かったはずでは」という問い合わせやコメント要請がいくつも寄せられた。さらには「どういう対策を取ればよいのか」という相談も多い。しかし、何が起こったのか詳しい情報が公開されていない状況では、何ともお答えしにくい部分がある。

 被害を蒙ったタワマンの管理組合は、行政に要望を突き付けるよりも先に、いったい何が起こって、原因は何だと想定できて、どういう対策を考えていて、現在はどういう状況なのかを明らかにすべきではないか。

 そういう基本情報が出てこないと、彼らが守りたがっている資産価値がどんどん毀損していく。

 そのマンションは浸水被害以降、ほぼ売買が成立していない。少なくともレインズに成約の登録はない。仮に区分所有者が売却しようとしても、普通には出来ないだろう。売れるとすれば、再販業者に台風前の流通価格の6割程度で買ってもらうしかないはずだ。

 仲介業者にしたところで、あのマンションは怖くて一般人には買ってもらえない。お客さんが現れても、被害のなかった付近のタワマンを勧めるはずだ。なぜなら、そのほうが後々のトラブルが少ないはずだから。

 繰り返すが、それもこれも被害マンションの状況がよく分からないからである。中国武漢の新型肺炎と同じく、広報の初期対応を誤ったことが原因で「被害」は大きく広がっているように思える。

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