国内

新型コロナ、感染爆発Xデーと「隔離」「解放」の究極選択

いまだ大黒ふ頭に停泊を続ける「ダイヤモンド・プリンセス」(共同通信社)

 乗客が新型コロナウイルスに感染したいた事が発覚し、横浜港に停泊している豪華クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。船内の感染者は174人となっている(2月12日現在)。

◆解放か、隔離か。パニックは防げるか

 厚労省は2月5日、クルーズ船で10人に新型コロナウイルスの陽性反応が出たと発表した。そのため、潜伏期間とされた14日間を健康観察期間として設けた。潜伏期間では体内でウイルスが増殖していないため、感染者であっても「陰性」とされる可能性がある。だから、14日間は隔離して様子を見なければならないということだ。

 しかし、9日、中国の研究者が、ウイルスの潜伏期間が最長で24日におよぶと明らかにし、状況は一変した。

「潜伏期間を考えると、乗員乗客は2月5日から数えて24日間は隔離しなければ、感染していないと確定できないはずです。つまり、2月29日まで隔離生活をしなければならないのに、政府は19日以降に、乗員乗客の検査をして下船させることを検討しています。

 そうなると、潜伏期間中の可能性があり、100%『陰性』と言い切れない人たちが下船してしまうことになる。そのため、日本に感染爆発が起こるXデーは2月20日だといわれています」(全国紙社会部記者)

 武漢から第一便のチャーター機で帰国した人たちは、2月11日にウイルス検査を受けて、感染が確認されなければ12日にも施設から出られるという。第二便以降も順次、検査を受けたうえで施設を出ることになる。

「帰国者約800人も潜伏期間が24日であると考慮して、それまで隔離するべきだという声もありますが、帰国者の不満が限界に達していて、政府も目をつぶらざるを得ないんです」(前出・全国紙社会部記者)

 実は、厚労省によると、2月5日の時点で、武漢からの帰国者のうち11人は“やむを得ない事情”で国内の自宅に帰っているという。

「子供連れという理由で埼玉県内の自宅に帰宅していた40代男性が11日、感染していたことが確認されました。実際には、すでに国内にウイルスが入り込んでいて、市中で散発的な流行が起きてもおかしくない状況なのです」(厚労省関係者)

 解放か、隔離か──この問題には2つの考え方があると自治医科大学附属病院感染制御部長の森澤雄司さんは指摘する。

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン