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「囲碁界のドン」が女流棋士に訴えられた 処分の裏に権力闘争

小林覚・日本棋院理事(時事通信フォト)

 10歳でプロ棋士となった仲邑菫(なかむら・すみれ)初段の活躍でブームが高まる囲碁界に異常事態が起きている。2月12日、「最後の無頼派」「天才棋士」と呼ばれた依田紀基・元名人(現九段)に囲碁界の“総本山”日本棋院が「半年間の対局禁止」処分を下したのだ。元名人が碁を打てない? 何が起きているのか。

◆天才少女を見出した

 依田氏といえば、名人4期、碁聖などタイトル獲得数36回、国際棋戦で4回優勝という世界的に知られる名棋士で、「政界きっての打ち手」といわれる小沢一郎氏の囲碁の師としても知られる。

 処分のきっかけは、「フマキラー囲碁マスターズカップ」での前代未聞の“不戦敗事件”をめぐる依田氏と「囲碁界のドン」小林覚・日本棋院理事長との確執だった。

 事件は昨年6月の準決勝で起きた。

 その頃ツイッターで小林執行部を批判していた依田氏は、対局場に現われず不戦敗となる。これにスポンサーのフマキラーは今大会限りでの棋戦の廃止を決定し、日本棋院は大ダメージを受けた。

 怒った小林氏は、依田氏が執行部批判を繰り返して準決勝を欠席したことで、「棋戦そのものに傷が付いたとして、フマキラー社がスポンサーを降りる意向を示していた」と説明し、処分を検討すると言及した。

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