2005年、ファッションショーに登場した槇原容疑者(時事通信フォト)

2005年、ファッションショーに登場した槇原容疑者(時事通信フォト)

◆誤解された「誰もが知る国民的タレントのF」

 とはいっても、こうした記事は、書かれた“疑惑の人物”は誰なのか?という「正体暴き」的な盛り上がりをネット上で毎度見せる。当サイトでも、ピエール瀧がコカイン使用で逮捕された直後の2019年4月4日に「芸能界の薬物疑惑 マトリがマーク、逮捕秒読み国民的タレント」という記事を掲載。こちらはピエール瀧の逮捕による「芋づる式」というよりは、その当時、捜査の手が及んでいた複数の芸能人の情報を取材した続報だ。ここには以下の人物が登場した。

■ヤクザ映画に引っ張りだこの強面俳優A
■大物音楽プロデューサーのB
■バラエティー番組に引っ張りだこで、結婚後もグラビアアイドルとして活躍を続ける30代のC
■海外進出も果たしてマルチに活躍する元男性アイドル歌手のD
■“若者のカリスマ”として国内外で高い人気を誇るミュージシャンのE
■誰もが知る国民的タレントのF

 こうした報道があると「A」「B」「C」や「X」「Y」「Z」といった名前であれば、単に記号として使われているとわかるのだが、「D」以降のアルファベットの場合はイニシャルだと誤解されることもある。

 この記事が掲載された後も「F」の正体暴きがネットで開始。「ふ」で始まる芸能人の名前が軒並み登場したのだが、あくまでも記事中では「6人目の疑惑の人物」といった意味合いで「F」を紹介した。

 だが、記事全体の一部分が切り取られた形でSNSや匿名掲示板に書き込まれるとそれをイニシャルだと勘違いしてしまう人も出てくる。薬物事件後の「芋づる式報道」や続報はメディアの側の慎重さも求められるだろう。

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