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斎藤工が語っていた「映画愛」 低予算の作品にも積極参加

芸能界きっての映画通として知られる(時事通信フォト)

 公開中の映画『ヲタクに恋は難しい』に出演、3月には福島第一原発事故をモチーフにした出演作『Fukushima 50』が公開。2021年には主演映画『シン・ウルトラマン』の公開を控えるなど、斎藤工は今や日本映画界に欠かせない俳優となった。

 高校生の頃から雑誌のモデルとして活躍し人気映画俳優にまでなった斎藤工の武器はしかし、その甘いルックスや個性的な演技などではない。社会現象にもなったドラマ『昼顔』(2014年)で主演の上戸彩の不倫相手を演じ大ブレイクした際も斎藤は「この人気は一過性のもの」と浮つくことなく、同じ年にその後ライフワークともなる移動映画館プロジェクト「cinema bird」を始動させている。

 では斎藤工を斎藤工たらしめているものとは何か。それは演じることへのこだわりをはるかに凌駕するほど大きい“映画愛”であろう。

 斎藤は芸能界きってのシネフィルとして知られる。シネフィルとは映画ファン、映画通を意味する。映画制作会社勤務の父親の影響で幼い頃から映画に親しみ、高校時代にはレンタルビデオ店に並ぶ映画を棚の端から見始めて全部制覇したという話は有名だ。

 映画学校に進学しようとしたものの父親に「映画は机で学ぶものじゃない。一刻も早く現場に出ろ」と言われ役者の世界へ。ドラマや低予算の映画も含め数多くの作品に出演する傍ら、2011年からはその映画フリークぶりを生かし現在も続くWOWOWの映画情報番組にレギュラー出演するようになる。2012年には短編映画で念願の監督デビューを果たした。これまで監督した作品は10本を超える。

 斎藤の映画愛を最も端的に示しているのが、映画館がない地域や被災などで映画館がなくなってしまった地域に映画やライブを届ける前述の「cinema bird」プロジェクトだ。2014年に宮城県石巻市で開催された第1回に続き、2015年に福島県で第2回を開催した際、斎藤は「僕は映画館で育ったようなもの。映画館でいろいろな主人公と自分を重ねて見てきた物語は、自分の細胞レベルに蓄積されている」「劇場体験のエンターテインメントで何かできないかと試行錯誤していたところ、映画の出前が僕らしいかなと思い同プロジェクトを始めた」と語っている。斎藤が届けたいのは“映画体験”そのもの。プロデューサーとして事前準備を重ね、会場設営でもギリギリまで気を配り続けるその姿に、“自分を見せよう”という姿勢は感じられない。

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