感染者が100人を超えた北海道では、感染した患者ごとに公表範囲が違う。道内の感染者発生状況は北海道庁(保健福祉部)のホームページで閲覧できるが、それを見ると次のようになっている。
〈患者A 3月8日 市立札幌病院を受診 3月10日 北海道医療センターに入院〉
〈患者B 3月4日 医療機関Aを受診 3月10日 医療機関Bに入院〉
これは一例だが、同様に感染者が受診した病院が公表されているケースとされていないケースが混在している。
誰が病院名を公表するかも、感染事例によってまちまちだ。市が公表するケースがあれば、都道府県の保健所が公表するケース、あるいは病院が自ら公表したケースもある。
勤務する20代女性看護師の感染が確認された熊本市の熊本託麻台リハビリテーション病院は、院長の決断で自主的に発表している。
◆知らずに院内感染
なぜこんなことが起きるのか。その原因は国が公表の統一基準を設けていないことにある。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏が語る。