スポーツ

大相撲・千代丸も なぜ発熱力士はみんな「スピード復帰」?

コロナ陰性、スピード復帰となった千代丸はなにを思うか(時事通信フォト)

 協会員に1人でも新型コロナウイルス感染者が出た場合は中止──そんな条件のもと無観客で始まった大相撲春場所。力士らには所属部屋で朝晩2度の検温を義務づけ、37.5度以上の発熱が2日続けば休場となり、容態によってはPCR検査を受診させるとしていた。そんな状況下で「高熱力士」が出るたびに、相撲協会は右往左往の対応を迫られた。

 相撲協会に“最初の危機”が訪れたのは初日(3月8日)の夜だった。序二段の力士に40度近い熱が出た。2日目に休場が判明したことで報道陣に注目されたが、親方がインフルエンザの検査を受けさせたところ陰性。翌日の朝に36.7度まで下がると、この序二段の力士は5日目から土俵に復帰し、その日に寄り切りで白星を挙げた。

 次の危機が訪れたのは6日目(3月13日)の昼頃。序ノ口の力士の発熱が判明する。病院では「胃腸風邪」と診断されたが、翌日の朝になっても38度から下がらなかった。当然、2日連続で発熱したことでPCR検査を受けさせると思われたが、協会は「毎朝の検温を判断材料にしており、(前日の昼に発熱したので)2日連続に該当しない。明朝の検温で(PCR検査を受けさせるか)決める」(鏡山危機管理部長)という判断に。

 強引な解釈にも思えるが、この序ノ口の力士もまた翌日(8日目)には平熱に戻った。9日目から土俵に復帰し、歴代ワーストの89連敗の記録を持つ服部桜に勝利している。

「場所中に風邪を引いたりすると、扁桃腺が弱い力士などは高熱が出ることが少なくない。通常なら大事をとって千秋楽まで休ませる。ところが、今場所は熱を下げては即土俵に戻すという“スピード復帰”が繰り返された。とにかく、新型コロナウイルスではないことをアピールしたかったのではと勘ぐりたくもなる」(相撲担当記者)

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン