◆ウエルシアは「コンビニ+激安スーパー」

 創業者の鈴木孝之の死去を受けて、ウエルシアHD会長には池野隆光が就いた。鈴木の会社に吸収合併された池野ドラッグの創業者だ。

「ドラッグストアは各社同質化している」。こう危機感を抱いた池野は、ドラッグストアのコンビニ化と激安スーパー化に取り組んだ。

 ウエルシアは店舗によって入口付近に作り立ての弁当が並んだり、総菜やコンビニの定番である淹れ立てコーヒーも販売したりしている。公共料金が支払えるし、銀行のATMも完備している。都心では24時間営業の店もある。ドラッグストアというより、大型のコンビニエンスストアそのものなのだ。

 セブン─イレブンなどコンビニ専業との最大の違いは、「薬」という大きな文字の看板を掲げていることだ。市販の大衆薬だけでなく病院の処方箋も受け付ける調剤併設薬局がウエルシアの原点である。

 加えて、ナショナルブランド商品を低価格で販売しているのも特徴だ。サントリーや日本コカ・コーラ、伊藤園などのペットボトル飲料は、スーパーでは100円以下で買うのは難しいが、ウエルシアは税抜き78~98円など100円以下でバンバン売っている。

 ドラッグストアは、トイレットへ―パー、ティッシュペーパーなど日用雑貨を安値販売することで客を集め、医薬品や化粧品など利幅の大きい商品で稼ぐ手法で高い成長を謳歌してきた。ウエルシアは食品を低価格で販売することで、コンビニやスーパーから顧客を奪い取ってきた。

◆ライバルはセブン─イレブン

 ウエルシアHD会長の池野隆光は、テレビ東京の『カンブリア宮殿』(2018年5月31日放送)に出演し、「ライバルはマツキヨではない、セブン─イレブンだ」と言い切った。ウエルシアがマツキヨを追い落としとて首位に立ち、怒涛の快進撃を続けていた時期に、こう大見得を切った。

 ところが、今回、マツキヨにトップの座を明け渡すことになる。

 果たしてウエルシアに首位奪還の秘策はあるのか。キーワードは「ウエルシアモデル」と呼ばれるM&A戦略だ。業界他社にM&Aを仕掛け、買収先の店舗をウエルシア化する。午後8~9時が多かった閉店時間を深夜0時まで延ばし、割安な食料品などの品揃えを増やす。コンビニのように利便性を高めて売り上げを伸ばすわけだ。そして、利益率が高い調剤部門を併設して一人勝ちを狙う。これがウエルシアの勝ちパターンである。

関連記事

トピックス

大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン