韓国にはさまざまな思惑渦巻く「徴用工像」がいまなお鎮座している(写真/AFP=時事)

 ところがこの記事をめぐって、私は韓国メディアから思わぬ攻撃を受けた。昨年12月16日、「ニュースデスク」(韓国・MBC)という報道番組で、〈[独自] 「日本人虐待をしなかった」証言? 案の定“歪曲”〉といったタイトルで私の記事が取り上げられたのだ。

 MBCは日本で言うところの大手キー局のようなテレビ局だ。「ニュースデスク」は夜7時30分からのニュース番組であり、日本でいえば報道ステーションのような硬派な番組だという。報道内容は次のようなものだった。

〈日本のある雑誌が、韓国人強制徴用被害者らの肉声を入手したと特集記事を掲載しましたが、その内容が異常です。「日本人が韓国人よりもっとよかった」。また、「被害補償を全く望んでいない」。90歳を超えた徴用被害者らがこのように言ったということですが、全く信じられないので、私達がこの方々に直接会ってみたら、そんなことを言ったことはないと、荒唐無稽な歪曲報道に憤怒しました。(中略)

 取材チームが崔漢永さんに会ったところ、先月末に開かれた強制徴用関連の懇談会に日本記者が突然現れてインタビューを要求したと明らかにしました。特に記事では「被害補償を望まない」と話したことについて説明してくれと尋ねると、「捕まって、3年も炭鉱で苦労していたのに、補償を受けないということを話すわけがない」と言いながら激怒しました。

「被害補償を貰わないとどうして言えるのか。受けなければならない。謝罪や謝りも必要だし、被害補償も受けるべきだ」

 当時、インタビューを横で見守ったという、もう一人の被害者の息子であり、徴用被害者団体の代表は、「ここまで事実をねじ曲げて書くとは思わなかった」と嘆きました。

「(日本が)メディアを利用して報道するのは、『補償も謝りも必要ない』と歪曲して報道してこそ(被害者の声を)弱めることが出来るからだろう」(チャン・ドクファン/強制徴用被害者連合会代表)

 日本の言論(メディア)側は、MBCの取材に「電子メールを送れ」と答えるだけで、最後まで何の立場も示さなかった〉

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン