救急は1分1秒を争う医療であり、実際に心臓が停止すると1分間に10%ずつ救命率が下がるといわれる。地域の救急医療が崩壊して病院のたらい回しが起きれば、患者の命が助かる可能性は少なくなる。
きくち総合診療クリニック理事長で救急専門医の菊池大和医師が警鐘を鳴らす。
「心筋梗塞や脳梗塞、大動脈破裂や腹膜炎など、緊急手術が必要な疾患は搬送に時間がかかるほど命を救える可能性が低くなります。コロナ患者を診るか、救急患者を診るかの二者択一ではなく、両方診られるようにしないと、本当に日本の医療が崩壊します」
このままでは日本は「救急車が命を救わない国」になりかねない
※週刊ポスト2020年4月10日号