「大学は違いますけど、学生時代の私のガールフレンドと昭恵さんが仲良しで、初めに彼女と知り合ったのです」
そう話してくれた増岡は当時、慶大生。出会った頃の昭恵は聖心女子専門学校英語科の生徒で、テニスサークルの合コンで知り合ったとされる。
森永製菓社長を務めた松崎昭雄の愛娘である彼女は、テニスだけでなく、スキーやゴルフなども得意だったが、進学に興味がなく、四年制大学には進まなかった。専門学校を経て電通の新聞雑誌局で勤務していた頃、上司の紹介で神戸製鋼のサラリーマンだった安倍と出会い、結婚を決めた。
かたや、安倍本人は誰もが認める政治一家のサラブレッドだ。母方の祖父・岸信介、大叔父の佐藤栄作が首相で、父方の祖父は衆議院議員の安倍寛。成蹊小学校時代の家庭教師として元JT社長の本田勝彦や自民党代議士の平沢勝栄が教えていた。当人は早慶や東大ではなく、エスカレータ式に成蹊大に進んだ。
良家の子女同士ではあるが、夫婦ともに学業には関心がなかったようで、そこもウマが合ったのかもしれない。1987年6月に結婚。先の増岡は二次会に新婦の学生時代の友人として出席した。
「(昭恵から)今度結婚することになった相手が、安倍晋太郎さんの息子さんだと聞かされました。二次会の会場は披露宴と同じ西武の(新高輪)プリンスホテルでしたけど、われわれは御神輿をつくって担いで盛りあげました」
増岡自身の結婚式にも安倍夫妻がそろって駆け付けたという。
「実は総理の勤めていた神戸製鋼の東京本社が、私の祖父が建てた(第一)鉄鋼ビルに入っていて、そんな縁もあって、以来、総理ご本人とも親しくさせていただいています」