もう1つ気になるのが、志村さんが三鷹の自宅で一緒に暮らしていた2匹の愛犬だ。4月上旬、自宅を訪れると、実家同様に自宅前は献花で埋め尽くされていた。家の中からは、犬の鳴き声が漏れ聞こえてくる。近隣住民が言う。
「志村さんがリードを持って散歩する姿を見かけたこともありますよ。大きいの(ゴールデンレトリバー)と小さいの(柴犬)がいるから、2回に分けて散歩する。ワンちゃんも志村さんに懐いていてね。いままで吠える声なんて聞こえて来たことはないんだけど…一昨日から時間をおいて、何回も吠えている。急に帰って来なくなったご主人様を待っているのかな。鳴き声を聞いていると、私も悲しくなってきてね」
自宅からマスク姿の小柄な女性が、門扉を開けて外に出てきた。明るい茶色のメッシュの入ったロングヘアで、アイドルのようなかわいらしい容姿。両手に大きなゴミ袋を2つ抱えている。
「いまはワンちゃんたちの相手は私がしています。様子ですか? やっぱり寂しそうです。でも、おかげさまで引き取り手は決まりまして…落ち着いたら事務所の方から発表します」
志村さんはコント作りにおいて、キッチリと“手順”を踏むことを大事にしていたという。だが、新型コロナの脅威は、志村さんの“最期の段取り”を狂わせてしまった。
※女性セブン2020年4月23日号