また、夫婦の年齢差が大きい夫婦も繰り下げを選択しやすい。たとえば妻が5歳年上のケースであれば、夫は70歳まで年金をもらいながら働き、その間、妻は年金受給を我慢する。そして夫70歳、妻75歳になったときに妻が年金をもらい始めることで、妻の年金額は約2倍になり、夫婦の年金額は大きくアップする。
そうすれば、夫婦のどちらかが介護施設や老人ホームに入居しなければならなくなっても、資金計画が立てやすい。
「年金の大半が妻(夫)の介護費用に消え、生活費がほとんど残らない」といった老後破綻を回避するためにも、夫婦の人生設計に合わせた年金戦略を立てることが重要になる。
※週刊ポスト2020年4月17日号