国内

首相と都知事の暗闘 安倍政権はなぜ理髪店を特別扱いするか

理髪店を巡って利権争いが発生(写真/JMPA)

「国家的な危機にあたり、ウイルスとの戦いに皆さんの力をお借りしたい」。4月7日、会見を開いた安倍晋三首相は国民にそう語りかけた。しかし、首相が戦っていた相手は、新型コロナウイルスではなかったようだ。

 緊急事態宣言の発令はなぜ遅れたのか──。その裏側には、国民そっちのけで繰り広げられた安倍首相と小池百合子・東京都知事との権力闘争があった。

◆「理髪店」を強調

 コロナ危機の中で総理大臣と東京都知事の暗闘が繰り広げられている。緊急事態宣言で後手に回った安倍首相は、宣言発表後の記者会見で異例の言及をした。

「理髪店は休業要請の対象とは考えていない。理容、美容は国民の安定的な生活の確保のために事業継続することが必要なサービスだ」

 宣言を発令すれば多くの業種に影響が出る。そんな中で、なぜ理髪店を名指しして「休業させない」と強調したのか。それは小池百合子・東京都知事に向けた強烈な牽制だった──。

 バトルの引き金を引いたのは小池氏のほうだ。経済に深刻な影響が出ることを懸念して緊急事態宣言に慎重な安倍首相に対し、小池氏は“それなら勝手にやらせてもらう”とばかりに4月3日の会見で、宣言が出された場合の都の対応を発表する。“官邸はいつまでぐずぐずしているのか”とばかりに強引に歯車を動かしたのだ。

「このままでは小池が何をしでかすかわからない」

 安倍首相のもとには側近から“小池の暴走”を心配する情報が伝えられた。東京都が事実上のロックダウンとなる強力な規制を用意しているという内容だった。

関連記事

トピックス

サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
清武英利氏がノンフィクション作品『記者は天国に行けない 反骨のジャーナリズム戦記』(文藝春秋刊)を上梓した
《出世や歳に負けるな。逃げずに書き続けよう》ノンフィクション作家・清武英利氏が語った「最後の独裁者を書いた理由」「僕は“鉱夫”でありたい」
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
来季米ツアー出場権を獲得した原英莉花(C)Yasuhiro JJ Tanabe
《未来の山下美夢有、竹田麗央を探せ》国内ツアーからQシリーズへの挑戦の動きも活発化、米ツアー本格参入で活躍が期待される「なでしこゴルファー」14人
週刊ポスト
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さんが綴る“からっぽの夏休み”「SNSや世間のゴタゴタも全部がバカらしくなった」
NEWSポストセブン
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン
オリエンタルラジオの藤森慎吾
《オリラジ・藤森慎吾が結婚相手を披露》かつてはハイレグ姿でグラビアデビューの新妻、ふたりを結んだ「美ボディ」と「健康志向」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《母が趣里のお腹に優しい眼差しを向けて》元キャンディーズ・伊藤蘭の“変わらぬ母の愛” 母のコンサートでは「不仲とか書かれてますけど、ウソです!(笑)」と宣言
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《お出かけスリーショット》小室眞子さんが赤ちゃんを抱えて“ママの顔”「五感を刺激するモンテッソーリ式ベビーグッズ」に育児の覚悟、夫婦で「成年式」を辞退
NEWSポストセブン
負担の多い二刀流を支える真美子さん
《水着の真美子さんと自宅プールで》大谷翔平を支える「家族の徹底サポート」、妻が愛娘のベビーカーを押して観戦…インタビューで語っていた「幸せを感じる瞬間」
NEWSポストセブン