ライフ

元刑事×脳科学者対談 新型コロナ自粛でも楽しむ意識とは

元捜査一課刑事という異色の経歴を持つ佐々木成三氏

 元捜査一課刑事で“落としのプロ”と呼ばれた佐々木成三氏が上梓した『優位に立てる「刑事力」コミュニケーション20の術』が話題になっている。。そんな佐々木氏が『サイコパス』『空気を読む脳』などベストセラーを連発する脳科学者・中野信子氏との対談で、新型コロナウイルスの感染拡大によってギスギスしがちなコミュニケーションについて語りあった。

佐々木:今回の対談は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、テレビ電話でやらせていただきました。我々の対談は盛り上がりましたが(笑い)、世間はどうもギスギスしていますね。

中野:コロナ離婚やDVが世界的に増えているそうです。休校措置や外出自粛などで家庭でも夫婦や子供のフラストレーションが凄い。互いに「なぜ私を理解してくれないのか?」という鬱憤が溜まっているのかもしれません。そんな心理がネットでの荒んだ書き込みにも繋がっています。

佐々木:こういう時代だからこそ、他者に寄り添うコミュニケーション術はより重要になってくると思います。それに、外出自粛と言われるとつい悶々としてしまいますが、自分を見つめ直すチャンスだと肯定的にとらえることもできるはず。

中野:感染への恐怖や社会不安を打ち消すことは難しいですが、家での生活を楽しむというポジティブな意識は重要です。

 例えば冬には外出できない北欧の生活をお手本にするのもおすすめ。四六時中家族と一緒も疲弊しますから、敢えて一人でいる空間と時間を決めるのも有効ですね。お風呂やトイレ、部屋の一角を読書する場所と決めたりするなど、楽しんで工夫してほしい。

佐々木:こういう時期だからこそ「好奇心」を失わないことが大事ですね。

脳科学者の中野信子氏

●なかの・のぶこ/1975年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部応用化学科卒業。同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所ニューロスピン(高磁場MRI研究センター)に勤務後、帰国。現在、東日本国際大学教授。

●ささき・なるみ/1976年、岩手県生まれ。1995年埼玉県警察官拝命。埼玉県警察本部刑事部捜査第一課に10年間、刑事として従事。2017年の退職後は、一般社団法人スクールポリス理事を務め、中高生らが巻き込まれる犯罪を防止するための講演を行なうなど多方面で活躍中。

※週刊ポスト2020年4月24日号

関連記事

トピックス

11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
左が金井正彰・外務省アジア大洋州局長、右が劉勁松・中国外務省アジア局長。劉氏はポケットに両手を入れたまま(AFP=時事)
《“両手ポケット”に日本が頭を下げる?》中国外務省局長の“優位強調”写真が拡散 プロパガンダの狙いと日本が“情報戦”でダメージを受けないために現場でやるべきだったことを臨床心理士が分析
NEWSポストセブン
ビエンチャン中高一貫校を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月19日、撮影/横田紋子)
《生徒たちと笑顔で交流》愛子さま、エレガントなセパレート風のワンピでラオスの学校を訪問 レース生地と爽やかなライトブルーで親しみやすい印象に
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン