加えて、日本だけでなく世界で公開されるというメリットもある。しかし北九州連続監禁殺人事件からインスパイアされたサスペンス・スリラー『愛なき森で叫べ』を手がけた映画監督の園子温さんは、「Netflixに作品を載せただけで世界に通じると思うのは甘い」と語る。
「ネットドラマに挑戦するとすぐ“世界を見ている”といわれるけれど、そんなに生易しいものではありません。確かに世界中に配信されるものの、実際に見てもらえるかはわからない。日本人がNetflixに登録しても、インドのホラー映画を見る人は少ないでしょう。それが現実です」
とはいえ同作は、海外の映画賞にも出品されており、世界とつながる媒体であることは間違いない。
勢いづくのはネットドラマばかりでない。以前は売れない芸人やタレントが活路を見出すためYouTubeを利用することが多かったが、最近は佐藤健、よゐこ、川口春奈、渡辺直美などテレビで活躍している芸能人が続々とユーチューバーデビューを果たしている。
「YouTubeの魅力は主体性」と指摘するのは碓井さん。
「テレビはお呼びがかからないと出演できませんが、YouTubeは誰でも主体的にチャンネルを立ち上げられます。若者を中心に見られている媒体で魅力があってファンとリアルタイムの交流ができるし、大当たりすれば大金持ちになれる。今後も“参戦者”は増えるでしょうね」
※女性セブン2020年4月30日号