新型コロナウイルス感染拡大を防ぐ外出自粛の影響で巣ごもり生活を余儀なくされる人にとっても、パズルは自宅でできる貴重な娯楽となっている。感染したイギリスのボリス・ジョンソン首相も、入院先の病室で数独をして気を紛らせていたという。
「パズルは純粋に“最高の暇つぶし”です。脳トレとして始める人もいますが、パズルは一生懸命やるものじゃありません。頭を真っ白にして考える時間を楽しむもので、解けなくてもかまわない。面白そうだと思ったらやって、飽きたらやめればいいんです」
競輪、競馬、ゴルフ、釣り、麻雀と多趣味な鍜治氏は「趣味は50、夢は300ある」と話す。
「優先順位1番の夢はカミさんと仲良くなること(笑い)。会社を続けたいという夢は10番目くらいかな。今は外食もままならないので、お店で美味しいものを食べたいというのも夢です。人間、夢のことを考える間は日常を忘れることができる。だから、パズルは夢や映画と同じなのです」
◆取材・文/戸田梨恵 ◆撮影/内海裕之
※週刊ポスト2020年5月8・15日号