ライフ

「コロナ自警団」と高齢者クレーマーに共通した特徴とは

店も客も工夫しているがスーパーはどうしても混み合ってしまう(時事通信フォト)

店も客も工夫しているがスーパーはどうしても混み合ってしまう(時事通信フォト)

 4月上旬、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、全国で緊急事態宣言が発令された。自粛要請が長引くに伴ってSNSで目立ってきたのが、「コロナ自警団」「自粛警察」と呼ばれる存在だ。ネットとトラブルに詳しいITジャーナリストの高橋暁子さんが、正義感が暴走する背景についてについて解説する。

 * * *

◆はびこるコロナ自警団、匿名の嫌がらせも

「何で営業しているんだ。休業しろ!」

 4月、居酒屋の入口の前に貼った張り紙にそんな落書きが見つかった。元々は、『感染拡大防止に努めながら時間短縮で営業します。店内消毒しています』という張り紙だった。店の経営者である50代男性は、「まさかうちの近所にこういうことを書く人がいるなんて。お客様にいるとは思いたくない」と肩を落とす。

 男性は、この落書きで心が折れてしまったという。その後すぐに、完全休業にした。「居酒屋というだけで目の敵にされていることを感じる。今は、店舗を再開することが怖い」。

 他にも、「ルールを守って営業しているのに、『自粛しろ、店を休め』という嫌がらせのメールをもらった」という飲食店もある。すべてに共通しているのは、匿名で非難批判し、自粛を促しているということだ。

「コロナ自警団」、または「自粛警察」とは、自粛に従わない人や休業しない店舗などを責める風潮と、それを言葉や行動にあらわすことを呼ぶ言葉だ。彼らの言動によれば、「県外ナンバーの車がいた」「休業していない店がある」「外で遊んでいる写真をSNSに投稿していた」など、色々な理由で攻撃されるが、実はどれも悪いわけではない。県外ナンバーなだけで県外から遊びに来た人とは言えないし、休業対象店舗以外はルールを守れば営業してもいいし、人が少ない時間帯に外に出ることは悪いことではない。

「外食写真をSNSに投稿している人がいる。自粛期間中なのに、店で食事したことを投稿してもいいのか」とSNSで怒りの投稿をしている人を見かけた。言うまでもなく、営業中の店舗で食事をすることは悪いことではないが、このように「自粛要請」と「禁止」を混同している人は少なくない。

関連記事

トピックス

24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
新大関の安青錦(写真/共同通信社)
《里帰りは叶わぬまま》新大関・安青錦、母国ウクライナへの複雑な思い 3才上の兄は今なお戦禍での生活、国際電話での優勝報告に、ドイツで暮らす両親は涙 
女性セブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《24歳の誕生日写真公開》愛子さま、ラオス訪問の準備進めるお姿 ハイネックにVネックを合わせて顔まわりをすっきりした印象に
NEWSポストセブン
韓国・漢拏山国立公園を訪れいてた中黒人観光客のマナーに批判が殺到した(漢拏山国立公園のHPより)
《スタバで焼酎&チキンも物議》中国人観光客が韓国の世界遺産で排泄行為…“衝撃の写真”が拡散 専門家は衛生文化の影響を指摘「IKEAのゴミ箱でする姿も見ました」
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン